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函館2歳Sのイメージと実際

  • 2008年08月04日(月) 23時50分
 早いもので、今年の2歳世代も最初の重賞を迎えることになった。
その函館2歳Sだが、世間ではだいたい以下のようなイメージで予想を組み立てる人が多いのではないだろうか。

1.ラベンダー賞組は、なにしろオープンを経験しているのだから強い
2.逃げ切って勝った馬より差して勝った馬のほうが信用できる
3.外枠有利

 結論から言うと1は×に近く、2と3は△とでもいう感じだ。

 以下は過去10年のデータに基づいた話。

 1.のラベンダー賞組は[4-2-2-25]という成績なのだが、それを額面通りに受け取るわけにはいかない。

 地方馬が[3-1-1-2]と安定しているのに対し、中央馬は[1-1-1-23]。地方馬はラベンダー賞連対が条件、中央馬はラベンダー賞をドカ負けしている馬も込みという違いはあるが、それにしても極端だ。

 2.は、逃げ切りで勝った馬が苦戦しているという事実は合っている。ちなみに過去10年・前走で逃げていた馬の成績は[1-3-2-24]で、回収率が単15%、複50%。人気馬しか来ていない。しかし一方で、差しにカテゴライズされるような位置で競馬をしていた馬は[1-0-0-18]と、ラベンダー賞を差し切っていたエンゼルカロしか来ていない。ある程度好位につけるスピードは必要だ。

 3.の外枠有利はここ2年炸裂しているしトラックバイアスの観点からも理にかなっているのだが、06年のように見事に外3頭というのはなかなかない。3連複、3連単ではちらほら内枠馬を絡める必要がある。

 ちなみに、ちょっと前までは

 4.芝1000mを勝ってきた馬より1200mを勝ってきた馬のほうが強い

 というイメージもあった(芝1000mの新馬が設定されなくなったのでいまは関係ない)。ただ、実際のデータは1000m組のほうが連対率も回収率も上。イメージと実際は意外と異なるものなのだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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