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札幌芝とSS系

  • 2008年08月18日(月) 23時50分
 札幌記念は、登録した15頭のうち9頭がサンデーサイレンス系ということになった。

 こうなると、SS系の中で優劣をつける作業が必要になるが、その前に、そもそもSS系は札幌芝コースが得意なのか、という話からしておかねばならない。

 SS系全体の、札幌芝コースにおける成績は、勝率9.3%・連対率19.8%。回収率は単勝62%・複勝81%。印象よりは勝ちきれていない、あるいは単穴がないという印象である。

 SS直仔だけに限ると勝率・連対率はもちろん大幅に上がるが、回収率は単勝68%・複勝79%。単がおいしくない傾向は変わらない。

 札幌記念が行われる2000mだけに限ってみても、SS系全体で回収率は単勝64%・複勝91%。やはり複はそれなりだが単がおいしくないという傾向にある。

 配合面で見ると、SS系との組み合わせで高い単勝回収率をマークしている母の父は、サドラーズウェルズ系とレッドゴッド系。ただし前者は、ヘヴンリーロマンス(05年札幌記念)の一撃で数値が上がった面がある。

 一方、SS系×レッドゴッド系は5頭の勝ち馬で9勝をあげており、一番高い単勝配当でも1430円。データとしてはこちらのほうが信用できるように思える。

 今回の該当馬はオリエンタルロック。自身札幌2戦2勝馬なわけだから、札幌が不得意なはずはない。

 ただ問題もある。オリエンタルロックもそうだが、2歳戦の実績がけっこうな割合を占めているということがひとつ。もうひとつは、開催後半に良績が集中しているということだ。同配合の馬が土曜、あるいは日曜の8Rまでに出走しているようなら、まずはその馬の結果で札幌記念の評価も決めたほうがいいかもしれない。

 いずれにしても今年の札幌記念は傑出した馬がいないだけに、ちょっとした得意・不得意にも気を配る必要があるし、特にSS系の選り分けはポイントになるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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