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京成杯AHについて考える

  • 2008年09月08日(月) 22時50分
 今年の京成杯AHには35頭の登録があり、しかもこの原稿を書いている時点ではハンデも出ていないのでなかなか難しい面はあるが、例年の傾向を整理してみたい。

 過去10年のうち中山で行われた9回を見ると、1番人気[3-0-3-3]、2番人気[2-1-1-5]と、ぱっと見た限りでは人気馬が強いというわけではない。

 しかし、この1、2番人気、単勝回収率はそれぞれ102、112%とプラスなのである。つまり、1回あたりの配当がそれなりにあったということになる。

 対象レースにおいて単勝1倍台という馬は99年のブラックホーク(1.8倍、ちなみに3着)しかおらず、いわゆる一本かぶりの人気馬というのは発生しにくい。しかし、そんな人気馬が結果オーライである頻度もそれなりにあるというわけで、丸っきりの穴狙いに走る必要はないのだろう。

 一方、レースのイメージについては、変えておかねばならないことがある。

 開幕週で高速決着も多いレースだけに、「馬場がいい→前残り→しかも中山のマイル→内枠すごい有利」というイメージになりがちだが、実際にはそこまでの偏りはない。

 確かに、一昨年のステキシンスケクンのように、逃げ切り劇はある。ただし、対象レースで逃げた馬は[2-2-1-7]。ステキシンスケクンを除く8回では複勝回収率108%で、これはレースで実際に逃げた馬の回収率としては、平凡なものである。

 内枠有利については傾向と呼べるほどのものはなく、外からも勝ち馬は出ているし、10番枠あたりまではすべて同様と考えたほうがよい。

 あまり知られていないが機能しそうな傾向としては、叩き2戦目の馬が強いというものがある。[5-5-1-11]と連対率は45.5%にも及ぶ。この時期は「休み明けの実力馬」と「順調に使われてきた馬」のどちらを取るか悩むところだが、その中間にあたる馬が良いと言えそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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