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ローズSは敢えて単勝やワイドで

  • 2008年09月15日(月) 23時50分
 まず最初に、今週の原稿は特別登録が出る前に書いているので、実際の登録馬に照らしていまひとつ機能しないことになるかもしれないことをお断りしておきたい。ただ、全く無意味な話にはならないよう配慮したつもりである。

 ローズSの過去10年を振り返ると、前走GI組、つまりはここを秋緒戦とした馬が[5-5-2-33]という成績をあげている。

 連対馬の半分を占めているわけだからこの組を無視することはできないが、しかし一方で、この組は単勝回収率が24%・複勝回収率が42%と恐ろしい低さになっている。

 というのも、内訳が1番人気[3-2-0-4]、2番人気[2-1-2-3]、3番人気[0-1-0-5]で、4番人気以下で馬券に絡んだ馬は04年のグローリアスデイズ(6番人気2着)しかいない。

 問題は、人気になるレベルの馬にも取りこぼしがけっこうあることだ。上記で分かるように、1番人気馬から4頭の着外馬が出ているし、1〜3番人気とも回収率は十分でない。

 こうなると、馬券の中心に置く馬は別な組から取るしかない。年にもよるが、クイーンSのような夏競馬期間の重賞を使われてきた馬か、1000万条件を好走してきた馬がその対象となる。ちなみに前走で500万下を勝ってきた馬は[1-0-2-27]で、レクレドールの優勝はあるが、全体としては手が出しづらい。

 さらに考えなくてはならないのが、どんな方針でどの賭式を選ぶということだ。先述したように人気の春実績馬にも取りこぼしは多いので、何十年というスパンで考えればそれらの馬が全滅し、夏重賞・1000万条件組が1〜3着独占というのも考えられなくはない。

 しかし、春実績馬は回収率こそ低いものの、連対率や複勝率はそれなりにある。「おいしくない馬」が1頭くらい割り込んでくる頻度は高い。

 よって、3連複・3連単よりは馬連あるいはワイド、さらに場合によっては単勝というように、より少ない頭数を対象にした馬券で「おいしい組」を狙ったほうが、総合的にはベターなのではないだろうか。賭式が多い時代は、その選択が重要になる時代でもある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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