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新潟2歳Sと前走距離

  • 2009年08月31日(月) 18時16分
 今週は2歳重賞が3つ行われるが、札幌は例年よりも4週早い実施、小倉はラス前の週になっても外差し傾向が強まる気配が少なく、ともに例年の傾向を適用しづらい。

 そこで、ここでは新潟2歳Sの予想をしてみようと思う。新潟2歳Sはマイル戦になって7回が行われたが、はっきりした傾向が出てきている。

 一番はっきりしているのは、前走距離(前走芝のみ)ごとの連対率だ。

 1200m組は6.7%、1400m組は17.1%、1600m組は27.8%と、距離をこなしているごとに高くなっている。回収率でも1200m組は複勝で50%(1着馬なし)とかなり地味であり、2Fの延長が応えることが分かる。

 一方、面白いのが1800m組の連対がまだ無いことだ。これまで16頭が出走し、3着が2頭いるのみ。インティライミ、ニシノコンドコソ、アドマイヤフォース、ガンズオブナバロンなど、人気サイドの馬も馬券に絡めなかった。

 対照的に馬券に絡んだ2頭は、いずれも新潟2歳Sでは人気薄。それらを相互に比較すると、実はペースの緩急に対応する能力が重要なのではないかという気がしてくる。

 先述した1800m組のうち、ガンズオブナバロンやアドマイヤフォースの勝ってきた前走レースは、2歳戦にしてはタイトなペースで、走破タイムも良かった。それゆえ人気にもなったわけだが、本番では同じような能力発揮はできなかった。緩急がテーマだとすると、一本調子なペースになりやすい1200組が弱いこととも合致する。

 ただ注意しなくてはならないのは、別に新潟2歳Sが凸凹のあるラップになっているというわけではないということだ。同じタイトなペースでも、1800mのそれと1600mのそれとでは、要求される能力が違うということだろう。

 そう考えると、やはり1600m組で、極端なラップにはならなかったレース出身の馬が一番無難ということになる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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