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京成杯AHは敢えて重ハンデ組から

  • 2009年09月07日(月) 12時10分
 「ハンデ戦は敢えて斤量を背負っている組から買え」というのは私がさんざんあちこちで書いてきた競馬格言(?)だが、京成杯AHはこの格言がわりとよくあてはまるレースである。

 過去10年の牡馬セン馬で見ると、57kgを課せられた馬(15頭)の連対率が46.7%で回収率は単複ともプラス。58kgは3頭しかいないが1着馬と3着馬を出しているので、当然ながら回収率プラスとなる。

 実は57.5kgと58.5kgで計4頭が4着以下に敗れているのだが、それを含めて「57kg以上」としても[5-3-4-10]の連対率36.4%、回収率は単144%・複138%。全馬平均の連対率が15.2%、回収率は単68%・複70%だからいかに優秀かがわかる。

 牝馬は26頭が出走しているうち、最も重い55kg組が[1-0-1-1]、54kgが[0-1-0-4]で、53kg以下だった18頭からは3着馬1頭しか出ていない。こちらも「背負っている組」優位ということになる。

 前走からの斤量変動ということでも、より重いハンデを課せられた馬が優位になっている。

 前走に比べて斤量の増えた馬は[5-2-3-7]で連対率41.2%、回収率は単261%・複189%。斤量の減った馬は[4-6-4-73]で連対率11.5%、回収率が単46%・複56%。先述した全馬平均と比較していただければそれぞれのバランスがお分かりいただけることだろう。ちなみに斤量減どうしのワンツーになったのは過去10年で3回。出走全馬の約3分の2(132頭中の87頭)を占めている組にしては少ない。

 面白いのは、前走着順別成績で見ると前走1、2着馬が極端に強いわけではなく、前走でGIに出ていたような格上タイプが多くいたわけでもないということだ。さほど派手ではない実績でありながらハンデは課されるという、一見損のように見えるハンデの馬が走らせてみると実はけっこう良いのである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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