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阪神芝2400m外回りについて考える

  • 2009年09月21日(月) 23時50分
 神戸新聞杯が行われる阪神芝2400mは、外回りコースではあるものの1600mや1800mとは違った傾向がある。

 以前からこのコラムでも書いている通り、ここ10年の改修で誕生した外回りコース(新潟、阪神)では、後ろから2F目に最速ラップが来ることが往々にしてあり、しかもそれが10秒台であることも多い。

 しかし2400mになるとそうはなりにくい。距離が長いこともあり、後ろから2F目が10秒台ということはまずないし、最速ラップの位置も変わりうる。

 例えば今年の大阪-ハンブルクCは、道中スローで流れて上がりが11.0-11.5-11.6秒。

 バアゼルリバーが勝った4/4の500万下は11.7-11.3-11.2秒とゴールに向けて速くなっていく形。

 あるいは、2400mのわりにはフラットなペースで流れることもある。

 ハートシューターの勝った7/11の未勝利は、未勝利でありながら13秒台のラップはなく、上がりは11.8-12.2-12.1秒となっていた。

 過去2回の神戸新聞杯も似たところがあり、昨年は最初と最後の1ハロンずつ以外はすべて12.5秒以下。

 一昨年は道中12.8秒が2つあったが、全体としてはイーブンな流れだった。

 以上からなにが言えるかというと、純粋な上がり勝負になるか、前がバテて豪快な差し・追い込みが決まるかどうかのどちらかになりやすいということである。

 実際に脚質・位置取り別成績を取ってみても、先行タイプの成績がかなり悪い。実力馬ならば差し・追い込みタイプでも全く問題はないし、穴を狙うにしてもこの前後の距離で定番の前残りではなく、瞬発力勝負に活路を見いだせる差しタイプのほうがいいだろう。

 スタミナは距離の額面以上分だけきっちりある方が望ましい。このコースでの勝利度数1位種牡馬はダンスインザダーク、連対率が優秀でかつ勝利度数2位がステイゴールドである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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