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天皇賞・秋の「消し馬」事情

  • 2009年10月26日(月) 23時50分
 今週の天皇賞・秋、人気は前走で負けたとはいえウオッカだろう。

 昨年の優勝馬でもあるウオッカに文句をつける理由はないのだが、一方で毎日王冠組が近年弱いということは気にしておかねばならない。

 このところ3年連続して連対馬を出している毎日王冠組だが、その前は改修のあった02年を挟んで長く不振が続いていた。06年にダイワメジャーが優勝しているわけだが、そのひとつ前の「毎日王冠組連対馬」というと、97年のバブルガムフェローまで遡る。

 97年は毎日王冠組から2頭の3着以内馬、つまり馬券に絡んだ馬が出た直近の年ということにもなるのだが、2、3着での2頭ということになる。1着馬を含めて2頭となると、95年まで遡る(サクラチトセオーとジェニュイン)。

 今年は毎日王冠組が8頭登録している。除外馬が出るとはいえ、例えばウオッカとカンパニーの両方を買おうと考えている人にとっては、先述した傾向は気になるところだろう。

 もうひとつ考えなくてはならないのが、年齢別成績だ。

 過去10年の天皇賞・秋で、6歳馬は[0-1-1-27]、7歳以上馬は[0-0-0-19]。唯一の連対馬ナリタトップロードは中山施行だった02年の2着馬である。

 6歳以上馬の東京における優勝例というと、98年のオフサイドトラップまで遡る。ただ同年はサイレンススズカの故障もあった。その前の連対は92年ムービースター。さらに前だと86年ウィンザーノット。お分かりのようにともに2着馬だ。オフサイドトラップの前に秋の天皇賞で6歳以上馬が優勝したのは3200m時代のキョウエイプロミスということになってしまう。

 サクラメガワンダーやシンゲン、さらにカンパニーといった馬の存在を考えると、こちらも悩ましいことになる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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