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距離がないとダメ、のタイプを狙え

  • 2009年11月03日(火) 12時00分
 ハンデ重賞というとたいてい斤量の話を書いている私。しかも、「なんだかんだ、斤量を背負っているタイプを買え」と書くことがほとんどである。

 アルゼンチン共和国杯はどちらかというと軽ハンデ馬が活躍するレースだったのだが、近年になって他のハンデ戦と同様というか、ハンデを課されている組が成績を向上させてきた。

 その一方で、条件戦上がりのような馬が全く来ないわけではないので、なんとも難しいところである。

 斤量そのもの以外に切り口は無いものか……と考えて、思いつくのは東京実績だ。

 アルゼンチン共和国杯で好走する「前走条件戦組」というのは、前走が東京の特別戦であることが多い。それは単に連続開催の後半だからということではなく、やはり東京コースが合う馬だからという面もあるのではないかと想像できる。

 そこで今回はこんな比較をしてみた。

 まず2つのグループを作る。Aグループは過去10年のアルゼンチン共和国杯で1〜3着になった馬。Bグループは馬券に絡まなかった馬。

 この両グループについて、東京芝での戦績を取る。ただし、アルゼンチン共和国杯そのものは(2度以上出走しているケースも含めて)除外する。一方で、クラスについては特に除外することなく、未勝利から重賞まですべて含める。また、アルゼンチン共和国杯に出走する以前の成績だけでなく、以後の成績も込みにする。

 AグループとBグループを比べて、Aグループのほうがやっぱり成績が良いので東京実績にこだわりましょう……というまとめかというと、そうではない。実はAもBも他の東京芝レースでの成績は良いのだ。

 違いがあるとすれば、Aは2000m未満での成績が悪いのに対し、Bは距離別の成績差がAより小さいことだ。

 つまり、アルゼンチン共和国杯では「東京が合う」というだけでなく、「2000m未満では走れない、距離があれば走れる」というタイプを重視すべきということになる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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