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マイルCSの「設計図」

  • 2009年11月16日(月) 23時59分
 マイルCSになると毎年私が書いているのが「距離短縮組を買え」という話だ。

 とにかく強いのが天皇賞・秋から来る馬で、その他毎日王冠から直接来る馬(今年はいないが)も強い。昨年のブルーメンブラット(府中牝馬Sから)のように変則的なパターンもある。

 一方でステップレースであるはずのスワンS組は[0-1-6-37]、富士S組は[1-1-0-35]だから、私が短縮組だけで固めた馬券を買いたくなるのもお分かりいただけるだろう。

 ただ、さすがに距離短縮組のワンツースリーというのはなかなか実現しづらい。過去10年では2005年に1回あっただけだ。

 距離短縮組が馬券に絡まなかった年というのは過去10年で一度も無いので、同組を軸に据えるという考え方は悪くないはずである。ワンツーは過去10年で4回あるし、連対馬を出せなかった(=3着馬のみが出た)というのは1回(00年)しかない。

 今年は前走成績の良い距離短縮組がカンパニーくらいしかいないが、それでも同組を外した馬券は考えづらい。問題は、ちょろっと入ってくる別組をどうするかだ。

 結論は、スワンS組を絞り込むことである。考えてみれば、スワンSで連を外していた馬がマイルCSで連対したというケースは、95年のメイショウテゾロまで無い。3着もそれ以降では昨年のファイングレインと98年のヒロデクロスだけ。ちなみに両馬は同じ年のGIで馬券に絡んでいた馬だった。

 つまり、今年はキンシャサノキセキだけでいいということだ。キンシャサと、外国馬・富士S組から1頭で計2頭。距離短縮組から決定した軸馬にその2頭を加え、あとはオッズと相談しながら距離短縮組を入れられるだけ入れる。

 ……いかにも机上の計算という感じだが、設計図としては大きく間違ってはいないはずだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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