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キャリアか? 勢いか?

  • 2009年12月07日(月) 23時50分
 2歳重賞で悩むのが、連勝などで効率的に収得賞金を積み増してきた馬が良いのか、たとえ負けたレースがあってもキャリアを積んだ馬が良いのか、という点である。

 この2つは予想原稿などで都合よく使い分けられているが、実際のところはどうなのか? 今回は阪神JFの過去10年を対象に調べてみた。

 まず、3着以内に入った馬のべ30頭のキャリア(地方でのレースは含まず。よって例えばアローキャリーはキャリア2戦扱いになるが、マル地カク地はそう数が多くはないので、中央出走歴のみを対象とする)を見ると次のようになる。

キャリア1戦 5頭
キャリア2戦 10頭
キャリア3戦 10頭
キャリア4戦 3頭
キャリア5戦 2頭。

 ただ、それぞれのキャリア別出走頭数も加味しなければならない。

 出走頭数はキャリア1戦から順に、16頭、36頭、44頭、35頭、21頭、21頭、2頭、0頭、1頭、1頭。サクセスリーのキャリア10戦というのが最多だ。

 馬券に絡んだのはキャリア1〜5戦の範囲だけなのでその部分だけ馬券に絡んだ馬÷総頭数を計算してみると、

キャリア1戦 0.3125
キャリア2戦 0.2778
キャリア3戦 0.2273
キャリア4戦 0.0857
キャリア5戦 0.0952

 先述したようにアローキャリーはキャリア2戦組に含まれているが、それを除いても2戦組の「打率」は0.2571。

 これを見る限り、やはり少ないレース数で効率的に阪神JFにたどり着いている馬のほうが良いように思える。出走ラインによってはキャリア1戦組が出られない年もあるが、その場合でも2〜3戦組を中心に据えるのが良いのだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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