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高齢馬の活躍について考える

  • 2009年12月29日(火) 11時00分
 2009年最後の大一番・有馬記念では8歳のエアシェイディが3着に入り、前年に続いて馬券のポイントとなった。

 09年はカンパニーが8歳にして大きな花を咲かせたし、高齢馬の活躍が目立った年であった。2010年の東西金杯にも高齢馬の登録が目立つし、今回は平地重賞における高齢馬のパフォーマンスをテーマにしてみようと思う。

 まず、最近よく言われる「高齢馬がよく走るようになった」という話が本当なのかどうか。ここでは7歳以上馬を高齢馬と定義して、過去10年の成績を振り返ってみると……。

 2009年の古馬平地重賞における7歳以上馬の連対率は8.1%。過去10年の平均が7.3%だからやはり最近は高齢馬が強くなっている……と言えるかというと、それは微妙。たとえば01年は連対率が10.8%だったりする。要するに、年によって多少変動があるといった程度のことのようだ。GIレベルの好走があると印象度が強いということだろう。

 では一方で、「高齢馬が走りやすい条件」というのはあるのだろうか?

 まず芝について距離別に見ると、意外なほどに傾向が無い。高齢馬=折り合いがつく=長距離向き……といった傾向があるかと思ったらそうでもない。

 一方ダートは、主な距離帯で1200mの成績が明らかに良い。54走しかサンプルが無いが、それでも頭の片隅に入れておいたほうかよさそうだ。

 時期は、年の序盤がベター。これは同じ年齢でも衰える度合いが浅いのだから当然だ。

 見逃せないのが、乗り替わりの有無による成績の差。前走の騎手が継続して乗ったときの連対率が10.7%なのに対し、乗り替わったときは5.4%とほぼ半分。やはり高齢馬は乗りなれたパートナーと組むのが良いようだ。さっそく金杯から、高齢馬の取捨にこの基準を取り入れてみよう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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