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乗り替わりが機能するのは?

  • 2002年05月14日(火) 00時00分
 難しいオークスである。私は一応◎シャイニンルビーで前予想を出しているが、それも絶対の自信があってというわけではない。なにかひとつ強調材料があれば、他の馬に切り替えてもいいという気持ちさえある。

 そこで色々な予想ファクターから切り込んでいったのだが、「逆の意味で機能した」というデータならひとつ見つかったので御紹介したい。

 私が調べていたのは乗り替わりに関するデータである。今年のオークスは有力馬における乗り替わりが少なく、そのため「機能しそうな乗り替わり」があればそれだけで強く推してもいいのではないかと思ったのだ。

 最初に目をつけたのはブリガドーン。岡部騎手から木幡騎手に乗り替わる予定になっている。リーディング順位で言えば岡部騎手の方が上だが、人気になりにくい分、リーディング順位が下がっても馬券的に「買い」となるのはよくあること。木幡騎手は世間のイメージより乗れる騎手の典型なので、そんな買いパターンに該当しているのではないかと思い、調べてみたのだ。

 結論から言うと、ダメでした……。

 平成以降、岡部騎手から木幡騎手に乗り替わった馬はのべ39頭。その成績は[1-1-4-33]というもので、連対率は僅か5.1%、複勝回収率でも68%しかない。木幡騎手自身の連対率が16%前後ということを考えると、数値が低すぎる。

 というわけで、「まだブリガドーンが気になっている皆さん、これを機会に諦めてみては?」という原稿なら書けるという次第なのである。

 ちなみに、ニシノハナグルマも左海→江田照の乗り替わり。この2人の間での乗り替わりはもちろんはじめてだが、「地方騎手→江田照」という括りだと複勝回収率123%となる。狙うならこっちの方がいいだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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