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近年弱体化の有馬記念組

  • 2010年01月18日(月) 23時59分
 今年のAJC杯には、シャドウゲイト、ネヴァブション、マイネルキッツと有馬記念に出走した直後の馬が3頭登録してきた。マイネルキッツは有馬記念で掲示板に載っていることもあり、それなりに人気もしそうな情勢だ。

 ただ、「AJC杯における有馬記念組」というのはなかなか厄介な存在でもある。

 過去10年、有馬記念からAJC杯に直行した馬の成績は[1-2-1-8]。これだけをとってもイマイチだが、1番人気に推された馬が5頭いて馬券に絡んだのが2着馬1頭(00年ステイゴールド)ということだから、これは相当に本命党の期待を裏切っている。

 馬券に絡んだ4頭は人気でいうと1、2、2、4番人気で、みな人気になっているのだから仕方ない面もあるが、配当妙味も薄い。

 ちなみに、20年前〜11年前の10年間について同じことを調べてみると、有馬記念組の成績は[4-2-4-11]。93年にホワイトストーンが6番人気1着、94年にマチカネタンホイザが4番人気1着していることもあり、単勝回収率は123%とプラスになっていた。

 また、1番人気になっていた馬は該当のべ21頭のうち3頭のみと少なく、1着・2着・着外が各1頭である。

 つまり、この10年にきて有馬記念組は、人気になる傾向が強くなった一方で結果が伴っていないということになる。ここは、馬券を組み立てるうえで重要なポイントになりそうだ。

 仮に「どうしても有馬記念組馬券に入れたい」と考えるなら、論拠になるのは3頭という数だろう。

 過去10年、有馬記念組が3頭以上出走したのは2001年と2009年の2回あり(いずれも3頭)、ともにうち1頭は連対している。ただ、いずれも人気順2位(1番人気も有馬記念組という状況下での2番人気馬)の馬が絡んだので、3頭の中からのチョイスは難しいが……。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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