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どの程度の重賞実績がベスト?

  • 2010年01月26日(火) 11時20分
 根岸Sは、先週の平安Sに続いてグレード別定で行われる。

 平安Sの場合、1年以内のGIII勝ちもしくはそれ以前のGII勝ちがある、「+1kg組」が強いという傾向があるのだが、今年はウォータクティクスしか該当馬がおらず、しかも同馬はどうもメンタルに問題を抱えつつあるようで、馬券には結びつかなかった。

 そこで仕切り直しというか、根岸Sについて同様の、斤量面からのアプローチをしてみたい。

 根岸Sも基本は4歳55kg、5歳以上56kg(牝馬2kg減)で、重賞実績に応じて1〜3kgが加量される。また、今回の対象期間は、いまの時期に行われるようになった9年前以降となる。

 まず4歳馬だが、そもそもこの年齢は[1-1-1-32]と苦戦している。勝ち馬は+1kgだったメイショウボーラー、2、3着馬は加量なし。+2,3kg組は5頭いて馬券に絡んでいない。

 5歳以上馬は、

加量なし[4-3-3-32]
+1kg[4-4-3-20]
+2kg[0-0-0-10]
+3kg[0-1-2-7]

 となっている。回収率では加量なし組と+1kg組がともに優秀なのだが、連対率は13.5%と25.8%、複勝率は19.2%と35.5%であり、総合的には+1kg組が勝る。加量なし組も人気薄の一発という魅力はあるのだが、重賞勝ちなしで人気薄というと該当馬が多くなりすぎる面もある。

 ……と、データ上の傾向としてはすっきり結論が出ているのだが、問題は登録馬。43頭も特別登録しているのに+1kgはミリオンディスク1頭(ちなみに他に加量されているのはスーニの+3kgだけ)。先週に続いて選択肢は無い。話が早いと喜ぶべきところではあるが、心中以外のチョイスが無いというのは複雑な気分でもある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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