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京都芝1200mの昇級馬

  • 2010年02月02日(火) 12時00分
 いろいろと勝手な競馬格言を作ってきた私だが、そのうちのひとつに「京都芝1200mは昇級緒戦の馬が馬券になりやすい」というものがある。

 これはだいぶ前にとあるテレビ番組の予想フリップを作っていて発見したもので、当時本命にしたのがテイエムサンデー。記憶が確かならば、03年のシルクロードSであったと思う。

 ところが、先日京都芝1200mの1000万条件特別を予想していて、1000万条件ではこの原則(500万条件からの昇級馬がさほど強くない)が通用しないことに気付いた。

 そこでいったん整理しておこうと思い、もう一度調べてみた。

 各クラス別の「昇級馬成績」は以下の通り。

※各項目[ ]内は勝率-連対率-単回収率-複回収率

500万[9.4%-15.3%-40-45]
1000万[6.3%-10.0%-115-65]
1600万[11.5%-15.4%-178-97]
OPEN特別[8.7%-19.2%-261-133]
GIII[14.3%-19.0%-143-103]

 準OPとGIIIはサンプルが少ないのでどう評価するかは難しいところだが、連対率と複勝回収率という一番参考にすべき指標でいくと、準OPでの昇級馬は「リスキーだが買い」、OP特別とGIIIでは「普通に買い」ということになる。

 もうひとつ気になるのが「OP特別→GIII」という、OPの範疇内での格上げ。これは、勝率4.7%・連対率8.5%、回収率が単107%・複41%で、単勝回収率こそ昨年のアーバンストリートでいきなり上がったものの全体としては悪い。これは悪い意味でOPの安定勢力になっている馬がいるためだろう。

 京都芝1200mは展開ひとつでキレ味のある馬が、たとえ地力には劣っていても届くことがある。昇級馬の中にはそのポテンシャルを秘めている馬がいるということではないかと思う。単に昇級か否かということだけでなく、平坦巧者、ツボにはまると来るといったタイプを予想では意識する必要がある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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