極めておおざっぱなイメージだが、中山の古馬GIIというのは好走馬が偏っているような気がしないだろうか?
実はデータの裏付けを取る前から週刊誌のコラムなどには書いてしまっていたのだが、マツリダゴッホやバランスオブゲームを筆頭に、中山の古馬GII、ひょっとすると3歳GIIも含めて、独特の適性があるような気がするのである。
もちろん、そこに明らかな根拠があるわけではない。一口に中山のGIIといっても色々な距離のレースがあるし、そこには内回りも外回りも含まれている。にもかかわらず、好走馬が重なりやすい(ステイヤーズSだけはさすがに別物という手ごたえがあるが)というのは、本当なのだろうか?
そこで当該週を迎えるにあたって、調べてみた。
まずは中山記念過去10年の連対馬について、それ以前の全レース(前年以前の中山記念に出走していた場合を含む)における成績を調べてみると、中山GIIでの連対率は44.8%、東京GIIでの連対率は21.4%なので、東京と中山のGIIで好走馬が分かれている手ごたえはある。ただし阪神GIIの連対率も50.0%(サンプル数は中山の約半分)なので、急坂が影響しているような気もしなくはない。
次に、中山古馬GIIのうち、ステイヤーズSを除くレースの連対馬過去10年分について同様に調べてみよう。
こちらの結果は、
中山 43.3%(過去レースからもステイヤーズSを除くと44.2%)
東京 25.6%
京都 20.6%
阪神 39.4%
となっている。やはりある程度「中山巧者」は存在するのだろうし、直線平坦の京都がいちばん低くなっている(つまり、京都GIIで凡走しても中山GIIでは好走できる)ところを見ると、坂適性というのは大きな要素なのだと思う。