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「中山GII巧者」は存在するか?

  • 2010年02月23日(火) 11時00分
 極めておおざっぱなイメージだが、中山の古馬GIIというのは好走馬が偏っているような気がしないだろうか?

 実はデータの裏付けを取る前から週刊誌のコラムなどには書いてしまっていたのだが、マツリダゴッホやバランスオブゲームを筆頭に、中山の古馬GII、ひょっとすると3歳GIIも含めて、独特の適性があるような気がするのである。

 もちろん、そこに明らかな根拠があるわけではない。一口に中山のGIIといっても色々な距離のレースがあるし、そこには内回りも外回りも含まれている。にもかかわらず、好走馬が重なりやすい(ステイヤーズSだけはさすがに別物という手ごたえがあるが)というのは、本当なのだろうか?

 そこで当該週を迎えるにあたって、調べてみた。

 まずは中山記念過去10年の連対馬について、それ以前の全レース(前年以前の中山記念に出走していた場合を含む)における成績を調べてみると、中山GIIでの連対率は44.8%、東京GIIでの連対率は21.4%なので、東京と中山のGIIで好走馬が分かれている手ごたえはある。ただし阪神GIIの連対率も50.0%(サンプル数は中山の約半分)なので、急坂が影響しているような気もしなくはない。

 次に、中山古馬GIIのうち、ステイヤーズSを除くレースの連対馬過去10年分について同様に調べてみよう。

 こちらの結果は、

中山 43.3%(過去レースからもステイヤーズSを除くと44.2%)
東京 25.6%
京都 20.6%
阪神 39.4%

 となっている。やはりある程度「中山巧者」は存在するのだろうし、直線平坦の京都がいちばん低くなっている(つまり、京都GIIで凡走しても中山GIIでは好走できる)ところを見ると、坂適性というのは大きな要素なのだと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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