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斤量減組は買い?

  • 2010年03月08日(月) 23時00分
 データで予想をしていると、以前と大きく異なる結果が出たときに、その変化が今後も続くのかどうかと悩まされることがある。

 その一例が、中山牝馬Sにおける斤量の問題だ。

 昨年の中山牝馬Sを予想する時点での過去10年、つまり99〜08年のデータでは、前走よりも斤量の減った馬の成績が[2-2-7-73]。11頭が馬券に絡んではいるものの、なにせ頭数が多いので連対率は4.8%。3着は多いように見えるが複勝率でも13.1%。全馬平均が連対率13.1%・複勝率19.6%だから、明らかに低い。回収率でも単44%・複76%だから、特に買いと言える要素は無い。

 ところが、09年はその斤量減組が馬券のポイントになってしまった。

 2着に15番人気のピンクカメオ(56→54kg)、3着に11番人気のダンスオールナイト(55→53kg)。同時に2頭来られると、さすがにグラリと来てしまう。

 ただ、それでも今年はまだ、「斤量減の魅力に惑わされない」という方針を継続したい。というのも、前走クラス別成績で見ても格上タイプの優位が確認できるからだ。

 過去10年、前走1000万条件から中山牝馬Sに出走した馬は10頭いたが、5着が最高(ちなみにその時点で秋華賞6着の実績があったジェミードレス)。前走準オープン組は[0-1-2-29]である。

 さらに、連対率を基準にすると、オープン特別組→GIII組→GII組=GI組となっている。もちろんそれぞれの前走レースでどんな走りをしていたかという問題はあるのだが、基本的に実績馬のほうが強いと言えるだろう。

 一般にハンデGIIIというと準オープンを勝ちあがってきた馬が狙い目になりやすいが、ダンスオールナイトのようなケースは中山牝馬Sにおいてはむしろ少数派。しばらく好走から遠ざかっている「元実績馬」をうまくキャッチできるかどうかがこのレースのポイントだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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