データで予想をしていると、以前と大きく異なる結果が出たときに、その変化が今後も続くのかどうかと悩まされることがある。
その一例が、中山牝馬Sにおける斤量の問題だ。
昨年の中山牝馬Sを予想する時点での過去10年、つまり99〜08年のデータでは、前走よりも斤量の減った馬の成績が[2-2-7-73]。11頭が馬券に絡んではいるものの、なにせ頭数が多いので連対率は4.8%。3着は多いように見えるが複勝率でも13.1%。全馬平均が連対率13.1%・複勝率19.6%だから、明らかに低い。回収率でも単44%・複76%だから、特に買いと言える要素は無い。
ところが、09年はその斤量減組が馬券のポイントになってしまった。
2着に15番人気のピンクカメオ(56→54kg)、3着に11番人気のダンスオールナイト(55→53kg)。同時に2頭来られると、さすがにグラリと来てしまう。
ただ、それでも今年はまだ、「斤量減の魅力に惑わされない」という方針を継続したい。というのも、前走クラス別成績で見ても格上タイプの優位が確認できるからだ。
過去10年、前走1000万条件から中山牝馬Sに出走した馬は10頭いたが、5着が最高(ちなみにその時点で秋華賞6着の実績があったジェミードレス)。前走準オープン組は[0-1-2-29]である。
さらに、連対率を基準にすると、オープン特別組→GIII組→GII組=GI組となっている。もちろんそれぞれの前走レースでどんな走りをしていたかという問題はあるのだが、基本的に実績馬のほうが強いと言えるだろう。
一般にハンデGIIIというと準オープンを勝ちあがってきた馬が狙い目になりやすいが、ダンスオールナイトのようなケースは中山牝馬Sにおいてはむしろ少数派。しばらく好走から遠ざかっている「元実績馬」をうまくキャッチできるかどうかがこのレースのポイントだろう。