阪神大賞典の登録馬を見て、誰もが感じているのが「GI馬不足」だろう。
今回登録している馬のうち、平地GI勝ちがあるのはアサクサキングスだけ。同馬が大阪杯一本になっていたら、登録馬中GI馬ゼロということになっていた。
最近では、05年と08年にGI優勝馬無し、04年と07年に1頭という阪神大賞典が実現しているので、それほど珍しい話ではない。しかし一方で、昔の阪神大賞典は「格上のGI馬を買うしかないレース」だったわけで、いつの間にかレースのテイストが変わっていることに気づく。
ちなみに、過去10年の阪神大賞典における、「その時点で平地GI勝ちのあった馬」の着順は以下の通りである。
09年 1、4、6、7、9
08年 出走なし
07年 4
06年 1、3
05年 出走なし
04年 2
03年 4、12、13
02年 1、2
01年 1
00年 1、3
こうしてみると、GI馬出走の絶対数そのものは昔から少なかったことが分かる。ただ、「頼れるGI馬」の時代はテイエムオペラオー、ナリタトップロードぐらいが最後で、その後はディープインパクトで一瞬蘇ったという感じだろう。
ただ、「頼れる格上馬」がいなくなったからといって、レースが荒れるようになったわけではないというのが不思議なところである。GI馬が馬券に絡んでいない07年は2、1、3番人気での決着、03年は1、2、7番人気決着で3着に人気薄のファストタテヤマが来たが、4着が3番人気ノーリーズン(GI馬だが)が来ており紙一重だった。
結局のところ、「阪神大賞典は好走できそうな馬」がファンに分かりやすく、堅いまま推移していく重賞なのかもしれない。