アンタレスSは、03年から別定戦になった。
その別定条件は、ベースが牡馬56kg、牝馬54kgで、1年以内にGI勝ちがあると3kg増、GII勝ちか牝馬GI勝ちは2kg増、GIII勝ちか牝馬GII勝ちは1kg増となる。重賞実績が1年以上前のものの場合は、そこからマイナス1kgだ。
では、そんな設定の斤量は、どのように機能しているのだろうか?
牡馬を対象に見てみよう。
※項目の上段数値は斤量着度数、下段は勝率-連対率-単/複回収値
56kg[4-2-4-63]
[5.5-8.2-45/74]
57kg[2-2-1-12]
[11.8-23.5-73/105]
58kg[0-2-2-5]
[0.0-22.2-0/111]
59kg[1-1-0-5]
[14.3-28.6-20/45]
こうして見ると、連対率ベースでは加量されている組のほうが優位。56kg組はたくさん馬券に絡んではいるのだが、いかんせん分母が大きいので狙いどころも絞りにくい。
さらに注目すべきは、57kgと58kgの複勝回収値の高さだ。1kgや2kgでは「重賞級と、そうでない馬」の差は埋め切ることができず、しかし一方でファンは56kgを買ってしまいがちということかもしれない。
アンタレスSに限らず、ダート重賞では「結局実績馬が来る」というケースが他にもある。たとえばハンデ重賞のマーチSはハンデを背負っている組が強いし、前走から増えていて不安視される馬も問題なくそれを克服してしまうことがよくある。今年の優勝馬マコトスパルビエロもそうだった。
ただ、それでは斤量順に買えばいいかというと、そういうものでもないから難しい。またマーチSを例に取ると、57.5や58の馬はよく走るのに57は全滅だったりする。斤量が決められるプロセス(ハンデ戦といっても、ハンデキャッパーが加減できる範囲は限られている)で、どこかに落とし穴ができてしまうのかもしれない。
アンタレスSのようなグレード別定でいうと、1年以上前の重賞勝ちがこの評価でいいのかとか、コース違いの重賞勝ちがこの評価でいいのかといった問題がある。その辺りを細かに観察したうえで57kg58kg組を買うと、効率的な馬券が組めるかもしれない。