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買い方の工夫で期待値アップ

  • 2002年11月04日(月) 13時24分
 穴党にとってはちょっと憂鬱ですらある、「ファインモーションが出るレース」がやってくる。初の対古馬戦でもあり、理由をこじつければ別な馬を本命にすることもできるが、牡馬相手にバリバリやってきたような「お姉さん」がいない今回のメンバー構成では、やはりファインモーションの優位は揺らがないことだろう。

 というわけで「ファインモーションは買う」という前提で話を進めるが、その状況下でも買い方のテクニックによって大きな差が出る、ということを今回は書いておきたい。

 よく堅い人気馬がいるときに「2・3着狙いのワイドで」などと言う人がいるが、それは最悪に下手な買い方であり、それよりは超堅い人気馬を絡めた3連複の方がずっと良いのだ。その好例が秋華賞である。

 秋華賞において、2着3着のワイド4−18は1480円だった。それに対して、ファインモーションを入れた3連複4−12−18は2260円もつけており、約1.5倍の払戻金になっている。そのバランスだとファインモーションが4着以下になるリスクが約33%あるということになるが、ファインモーションは単勝1.1倍=約70%の確率で勝つ、と支持されているわけだから、そこには矛盾が生じてしまう。要するに2・3着のワイドが安すぎるか、3連複が高すぎるかのどちらかなのだ。

 おそらくは前者の度合いが強いのだと思う。ワイドや複勝は「人気馬が4着以下になってこそ」の馬券だということを理解できていない競馬ファンが多すぎるのだ。その証拠として、前述した秋華賞2・3着のワイドは、仮にファインモーションが4着以下に飛んで「オッズ幅」の一番高い端を掴んだとしても17.7倍しかつかないのである。あきらかに「ファインモーション以外のワイド」が買われすぎているわけで、ならばむしろ「ファインモーション絡みのワイド」の方が期待値は高い。

 ちなみに、他の「超一本かぶりレース」を調べても同様の傾向が見られる。G1だと「素人票」が入るので傾向は一層強まるわけで、その裏を突いて効率的な馬券の買い方をしたいものだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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