スマートフォン版へ

週刊サラブレッドレーシングポスト

  • 2002年11月12日(火) 12時36分
 7月のジュライセールを皮切りにイヤリングマーケットが軒並み落ち込んだのに加えて、イラク攻撃を睨んで景気の先行きが不透明になっている現状から、悲観的な観測が大勢を占めていたキーンランド・ノヴェンバーセール(11月4日〜13日)が、予想外の堅調ぶりを見せている。まだ全ての日程を終了したわけではなく最終的な数字は出ていないが、バイバックレートが低下し、中間価格はほぼ前年並み。平均価格こそ前年を若干下回りそうだが、関係者はまずはほっと一安心といったところだ。

 最高価格は、2日目に登場した3歳牝馬ブレスに付いた400万ドル。フサイチペガサスの2つ年下になる全妹で、ストームキャットを受胎しての上場だった。

 G1イエローリボンS等に勝ち牝馬の芝チャンピオンとなったフィジー(デインヒルを受胎)が310万ドル、G1トップフライトS勝馬フラットフリートフィート(ストームキャットを受胎)が230万ドル、G1アップルブロッサムS等に勝った古牝馬チャンピオン・グルメガール(フサイチペガサスを受胎)が225万ドルなど、競走成績抜群で人気種牡馬を受胎した馬たちが高値で取り引きされたが、BCフィリー&メアターフを勝ったばかりのスターリーンは、100万ドルちょうどと、そこそこの価格での落札となった。

 日本人によると見られる購買は20頭プラスα(数頭)。

 繁殖牝馬で最も高かったのが、父ストームキャットの7歳馬レッドキャット。現役時代に重賞入着があり、現在キングマンボを受胎している。

 G3ベイメドウズオークスの勝馬レアリーハッピー(ゴーンウェストを受胎)、兄にG1・3勝のゼネラルチャレンジがいるレッドヴェルヴェット(ジャオアンツコウズウェイを受胎)、G3シャーリージョーンズH等の勝馬ユーキャンドゥイット(ジャイアンツコウズウェイを受胎)らも、注目の輸入牝馬である。

 一方、当歳馬では、叔母にG1ファンタジーS勝馬ファンタスティックルックがいる牝馬(父ジャイアンツコウズウェイ)、姉にアルゼンチンのG1勝馬ヴィクトリーストライプスがいる牡馬(父ウォーチャント)らが、2年後のPOGで忘れずにマークしたい馬たちだ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング