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扱いが微妙なピースオブワールド

  • 2002年11月25日(月) 19時28分
  阪神ジュベナイルフィリーズは、なにはともあれピースオブワールドが検討の中心になる。

 検討の中心という以前に買うしか無いんじゃないかとお思いの方もいらっしゃるだろうが、阪神JFにおけるファンタジーS組というのは扱いが難しいことで有名だ。

 ファンタジーS→阪神JFという馬の単複をベタ買いしていたらこれまでの実績ではプラスになるのだが、それはタムロチェリーとアインブライドが人気薄で勝ち、エイシンレマーズが2着したせい。このローテで阪神JF連対を果たした馬は5頭いるが、そのうち前走好走といえるのはシーズプリンセスだけで、残り4頭は全てファンタジーS4着以下だった。

つまり、ファンタジーS組を買うなら「前走負けていた馬を買う」というのが基本なのだ。そのセンでいけば、ピースオブワールドは蹴飛ばすのが正解ということになる。しかし、実際には馬が強すぎるので、その踏ん切りをつけるのは難しい。

 ちなみに、1400mから1600mへの距離延長そのものは問題無いように思う。SS×カーリアンという馬はこれまで15頭走ったが、芝1400mでの成績が連対率33.3%・複勝回収率83%であるのに対し、芝1600mでは連対率37.0%・複勝回収率85%。目立ってプラスというわけではないが、少なくともマイナスではない。

 もしピースオブワールドを押さえるとしたら、他馬についてはどうすべきか。答は自明で、人気サイドを何頭か蹴飛ばすしかない。ファンタジーSの2〜4着馬と、まだ1戦1勝のアドマイヤグルーヴあたりには手が回らない。

 その他の人気薄から3〜4頭を選び、ピースオブワールドを足してボックス買いというのはどうだろう。ビースと人気薄馬の組み合わせで決まってももちろん良いし、人気薄どうしの決着になればかなりの好配当が期待できる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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