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阪神牝馬Sも前走距離に注目

  • 2002年12月09日(月) 19時03分
 中山・阪神2週目のメインレースは、ともに距離変動がポイントとなるレースだった。

 鳴尾記念の条件である「12月阪神・芝2000m」はマイルや1800mから距離延長で臨む馬が強いのだが、2・3着はまさにそういう馬。一方、朝日杯は距離短縮で出走する馬が強い傾向にあるが、これが今年はどんぴしゃにはまり、1〜4着まではすべて距離短縮での出走であった。しかも勝ち馬は今年はじめて可能になった「2000m特別→1600m朝日杯」というローテだったのだから念が入っている。

 そもそも、距離替わりやコース替わりというのはおいしい馬券のポイントになりやすい。同距離や同コースでの競馬が続くと能力比較がしやすくなり、人気馬が来る→控除率の壁を越えられなくなる、という構図があるからだ。これの裏返しとして、距離変動馬・コース替わり馬の好走をうまくキャッチすれば、いい配当が手に入ることになる。

 今週について言うなら、古馬のマイル戦である阪神牝馬Sが最も「距離変動に注目」のレースとなる。

 ただ、阪神牝馬Sについては前述したような距離変動馬が「買う対象」ではなく、むしろ「前走もマイル戦」の馬がおすすめということになる。

 11〜12月の阪神芝1600m古馬戦について調べてみると、前走もマイルの馬がベスト、1800mの馬はぼちぼち、2000m以上と1400m以下の馬はイマイチという結果が出る。

 今年はエリザベス女王杯から流れてくる馬も上位人気に入りそうなので、その組を軽視し、前走1600m・前走1800mにこだわってみるのがいいのではないかと考えている。前走もマイルということでは、キャピタルSからくるエアトゥーレ、1800mではポンデローザが当面の対象になりそうだ。SS系種牡馬の回収率が良いコースでもあるので、ポンデローザ以外にもフジキセキ産駒のオースミコスモやミツワトップレディあたりを狙ってみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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