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アディライト春へ前進

  • 2003年02月24日(月) 13時53分
 2月20日大井「京浜盃」。ナイキアディライトは期待以上の勝ちっぷりだった。抜群のスタートとダッシュ力。終始余裕十分の逃げ切りで、最後は手綱をセーブして4馬身差。なるほど前走「ブルーバードカップ」でブラックドンカルロ、グリンゼファー、既成勢力に5馬身差をつけているから、机上では当然の結果ともいえるが、それでも自身初距離に加え初コース。これほど一方的な競馬はイメージになかった。スピード型有利の軽い馬場だったこと。同型ベルモントソレイユがハナから控える作戦だったこと。ともあれ1690m、1分46秒6は、歴代の覇者と比較しても胸が張れる。昨年ノムラリューオー48秒4、一昨年トーシンブリザード47秒4(1700m)。京浜盃の勝ち馬は、羽田盃過去25年にさかのぼり、出走24頭中、17頭が優勝というデータがある。少なくとも春の主役へここで一歩前進は間違いない。

京浜盃(サラ3歳、別定、南関東G2、1690m重)

◎(1)ナイキアディライト (55・石崎隆) 1分46秒6
 (2)ベルモントソレイユ (55・内田博) 4
△(3)シャコーオープン  (55・早田)  3
 (4)テロメレース    (55・市村)  1
 (5)ライトメイビア   (55・左海)  1
…………………………………………………………
△(7)ブラックドンカルロ (55・今野)
○(9)カセギガシラ    (55・的場文)
▲(10)ネイルアート    (53・御神本)

単140円 馬複720円 馬単1050円
3連複3510円 3連単10770円

 ただしナイキアディライト。石崎隆騎手のコメントは案外辛口で、まだまだ課題残し、手放しでは喜べないというニュアンスもあった。「道中物見をしたが、全体に100%のレースでしょう。今日は馬場と展開も味方した。これからは相手も強い。もう少しパワーをつけないと…」。正直このあたりは乗っている本人だけが感じる、その手応えというしかない。外野の観戦子としては今日のレースぶりで十分満足。逆にいえば石崎Jは羽田盃のみならず、統一Gを視野に入れて展望を語ったと納得する。現時点では00年のイエローパワーよりワンランク上の快速馬というイメージか。当日5キロ減。しっかりまとまった好馬体だが、もう一つ上を考えると、確かにまだパワーの点で物足りなさもないではない。

 ベルモントソレイユは好スタートからあえて3番手に控え、直線激しい2着争い、横並びの叩き合いを力強く伸びてきた。マイペースで逃げながらスオウリージェントに競り負けたハイセイコー記念。何とも期待外れで評価を下げたが、どうして今日このレースができれば展望はきわめて明るい。中間4か月の充電。元より見映えのする馬体でパドックの気配も素晴らしかった。狙い通り心身とも大きく成長したということだろう。「追ってから頑張れますね。次はもっといい勝負ができる」と、新コンビ・内田博騎手。彼は今春、この馬に賭けることになりそうだ。

 シャコーオープンはゴール前1F、馬群がバラけたところを大外から追い上げた。今後も不器用さがネックになるが、馬自身のスケールはやはり大きい。カセギガシラは、外枠を考慮してもほぼ無抵抗の大敗だった。レース巧者ながら逞しさに欠ける点が大きなネック。ネイルアートは道営から使い込まれている牝馬で、いったん壁に当たると巻き返しが難しいか。ブラックドンカルロは道中うまく流れに乗ったかとみえたが、直線案外な失速だった。ただし気持ち余裕残しで作ったか、馬体など素晴らしくよくみえた。次走は皐月賞TR「スプリングS」挑戦。父プレザントは東京ダービー馬。ダート血統云々はともかく、その意外性、意気に一票投じるつもりではある。

エンプレス杯(川崎2月26日、サラ4歳上牝馬、別定、統一G2、2100m)

◎ジーナフォンテン  (55・内田博)
○ネームヴァリュー  (55・佐藤隆)
▲ビーポジティブ   (54・武豊)
△アオバコリン    (54・森下)
△ニシノハナグルマ  (54・左海)
△オンワードセイント (55・勝浦)

 登録のあったサクラヴィクトリア(昨春関東オークス勝ち)が引退繁殖、プリエミネンスがフェブラリーS出走、さらにラヴァリーフリッグ回避(捻挫)で、気持ち層が薄くなった。絞れば◎○▲、3頭の勝負と考えていいだろう。ジーナフォンテンは前走川崎記念、超ハイペースで逃げるカネツフルーヴにただ1頭、3〜4コーナーから勝負を挑んだ。最後コンマ7秒差なら敗れて強し。ともあれ今が旬というデキで、川崎2100mペスト、条件ぴたりの勝負気配を含め、「馬単」「3連単」の中心に抜擢したい。ネームヴァリューは、川島正行調教師「順調にきているし、ウチの馬が一番強い」と胸を張り、もちろんそれに異論もないが、馬自身道中一瞬みせる、戸惑いのようなものが唯一死角か。ビーポジティブは全体に発展途上ながら、まだまだ強くなる可能性を秘める。アオバコリン以下伏兵は、少し恵まれた際だろう。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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