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安田記念“貯金で勝つ”レースもアリかな!?

  • 2012年05月29日(火) 18時00分
久々のコンビ復活となったマイラーズCで、見事な逃走Vを決めた小牧騎手&シルポート。勢いままに、今週は安田記念に挑みます。昨年、8着に敗れた舞台ですが、着差はわずかコンマ4秒。大混戦といっていい現在のマイル路線だけに、チャンスは十分です。そこで今回は、久々に騎乗したシルポートの感触と安田記念の勝算についてお聞きしました!

■なにがなんでも逃げる!

マイラーズC会心の逃げ切り

マイラーズC会心の逃げ切り

──遅ればせながら、マイラーズC優勝おめでとうございます。ユーザーからも、たくさん祝福のコメントが届いています。

小牧 ずっと乗れなかったからね…。そもそも僕が断ってしまったのがきっかけなので、もう僕の手には戻ってこないだろうなぁと思ってた。でも、今回また西園先生からお話をいただいて、本当にありがたかったです。

──久々に追い切りに跨がった印象はいかがでしたか?

小牧 以前乗っていたころの調子がいいときの雰囲気と同じで、すごく良かったですよ。一時、あまり良くないなぁっていう時期もあったんだけど、そういうときも知ってるっていうのは強みやね。今回は、いいときの感触と同じだったので、これはいいなと。

──調子がいいときと、あまり良くないときは、シルポートでいうと具体的に何がどう違うのですか?

小牧 あまり良くないときは、追い切りでちょっと馬が力むんですよね。調子がいいときは、リラックスして走ってくれるんやけど。時計はもともと出る馬やから、数字からは判断できないと思う。あくまで乗った感触やね。

──マイラーズCは、3回京都の開幕週。3番人気でしたが、かなり自信があったのではないですか?

小牧 うん。まぁ逃げ馬だけに、相手の出方次第っていうところが大きいけどね。もちろん、馬の調子はすごく良かったし、開幕週もプラスやから、自信はあったよ。ただ、外枠が当たってしまってね。それだけが嫌やなぁと思いながら。

スタートをポンと出られた

スタートをポンと出られた

──昨年とまったく同じ8枠17番でしたね。

小牧 うん。でも、ポンと出てくれてね。周りもスッと控えてくれたので、シルポートの競馬ができましたわ。

──さて、いよいよ安田記念です。昨年は8着とはいえ、着差はわずかコンマ4秒でした。マイル路線は混戦ですし、流れでひとつで十分チャンスですね。

小牧 そうですね。最終週だけど、去年より馬場はちょっといいんじゃないかな。ただ、この馬にしてみれば、かえって悪くなったほうがいいからね。ほかの馬が苦にするぶん、バシャバシャの馬場にでもなったほうが、よりチャンスは大きいでしょうね。

──あとは、シルポートの競馬さえできれば、簡単には止まりませんからね。

小牧 まぁ、みんなもシルポートが行くもんやと思ってるはずなんでね。よほど出遅れない限り、シルポートの競馬はできると思う。僕もレース前に「なにがなんでも行く」って表明した上で、レースに臨みますから。あとは、道中の相手の出方次第やね。いくら調子が良くてハナを切れても、絡まれたり、つつかれたりすれば馬が力んでしまうし、早めに外から来られたら、馬も行く気になってしまうから。交わされたら交わされたで戦意がなくなってしまうしね。でもまぁ、それが逃げ馬の宿命ですわ。

──逃げ馬の難しさであり、おもしろさでもあり。ちなみに、東京コースについてはどう思われますか? 重賞でもエプソムCと京王杯SCで2着という実績がありますが、最近は京都、阪神での強さが目立ちます。

小牧 問題ないと思うんやけど。コーナーを利用してタメるタイプの馬じゃないんでね。道中のペースを落として残る馬ではなく、自分のペースで行って、そのまま残るタイプの馬やから。

──前半をこのくらいの時計で行ければ…というような、およその計算はあるんですか?

小牧 僕はね、そういうことを計算したことがないですわ。シルポートに限らずね。

引きつけるか、引き離すか

引きつけるか、引き離すか

──強力な同型は不在ですし、楽しみな一戦ですね。

小牧 そうですね。2着に残った中山記念では、後ろを離して逃げていたでしょ? 僕自身は、これまでそういう風に残ったことは一度もないんですわ。僕の場合、タメて逃げてますからね。それがいいのか悪いのかはともかく、今回は、後ろを引きつけて逃げるか、あるいは引き離して逃げるか…、そのあたり、考えて乗ろうかなって思ってます。

──その判断材料となるのは?

小牧 馬場やね。馬場が悪かったら、引き離し気味に行って、いわゆる“貯金で勝つ”レースもアリかなと。逃げ馬やから、いいところを通れるしね。状態もいいし、楽しみにしてますわ。

【次回の太論は?】
“道中は死んだふりで…”から一転、3番手から競馬を進めた小牧騎手&クラレント。はたして作戦変更の陰には何があったのか? ダービーの裏側に迫ります。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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