スマートフォン版へ

夏競馬本番! 太流・暑さに強い馬、弱い馬

  • 2012年06月26日(火) 18時00分
いよいよ今週末から7月に突入。競馬界にも本格的な夏シーズンが到来します。小牧騎手は中京から、例年通り、小倉に参戦予定。そこで今回は、高松宮記念で参戦した新中京コースの印象から、小倉競馬への想い、夏に強い馬の見分け方まで、小牧流・夏競馬の楽しみ方をうかがいます!

■小倉では合羽を着て馬場を走ってます!

──今週からは中京ですね。高松宮記念で参戦されましたが、新中京コースはいかがでしたか?

小牧 乗りやすいですね。前の中京は、あんまり好きじゃなかったんだけど(笑)。前はスタートしてすぐにカーブで、危ないレースがいっぱいあったわ。今はもう慌てることなく乗れるから。かなり乗りやすくなりましたね。

──以前の中京は、同じ小回りの平坦でも、小倉とはだいぶ違いましたか?

小牧 うん、全然違いましたね。前の中京はなんか…、行け行けゴーゴーな感じやった(笑)。力の足りない馬でも、ハナに行ければコーナーワークで残れるっていうコースやったからね。だから、みんなどうしても前に前に行くでしょ。小倉も前が有利なのはたしかやけど、中京ほどみんな位置を取りに行かないから。

新装中京競馬は乗りやすい

新装中京競馬は乗りやすい

──中京のあとは、例年通り小倉に参戦されるんですよね。小倉は小牧さんにとって、思い出深い地ではないですか?

小牧 そうそう。園田にサラブレッドが入った当初、フェニックス賞で乗りに行ってね。いきなりたくさん乗せてもらったのを覚えてます。そのあとも、アグネスワールドに乗せてもらったり(99年小倉日経オープン1着)、ロサード(01年小倉記念)やダイタクバートラム(04年北九州記念)で重賞を勝たせてもらったりね。

──毎年、滞在はされないんですよね?

小牧 うん、通いです。橋口厩舎の馬が栗東にいるんでね。小倉に行くのは楽しみなんやけど、新幹線での移動が…。基本的に、僕は移動があんまり好きじゃないねん(笑)。

──ちなみに、移動中はどう過ごされてるんですか?

小牧 マンガ読んだり、雑誌読んだり…。よっぽど疲れてないと、眠れないんですわ。移動の前に、ヨガに行ってビッシリ汗をかいて、新幹線に乗ったらキューっとビールを飲んで(笑)。そこでまた体重がちょっと増えるでしょ。だから、小倉に着いたら調整ルームに入る前にスタンドのほうにそのまま行って、合羽を着て馬場の内側を1周か2周走ってます。

──ビール分の汗を流すわけですね(笑)。それは小倉ならではの習慣ですか?

小牧 そう、毎年ですね。夏場は汗がよく出るから、鍛える意味でもサウナよりいいかなって。

──体重が増えるとわかっていても、新幹線ではついつい飲んでしまう…。

小牧 そうやねん。我慢できない(笑)。

小倉競馬の後は里帰りも

小倉競馬の後は里帰りも

──わかります(笑)。では、プライベートも含め、小牧さんならではの夏シーズンの楽しみ方というと?

小牧 ん〜、日曜日に競馬が終わってから火曜日くらいまでは、けっこうチョロチョロしてますよ(笑)。小倉からそのまま母親のいる宮崎に帰ったり、熊本や広島の友達に会いに行ったり。温泉にもよう行きます。けっこう自由にさせてもらってますわ。

──小牧さんは、フットワークが軽いですよね。ではここで、夏競馬にまつわるユーザーからの質問を紹介させていただきます。「夏の上がり馬や夏馬と言われる馬がいますが、基本的に、馬は暑さには弱い生き物ですよね。そんななか夏に強い馬というのは、どういった特徴があるのでしょうか?」という質問です。

小牧 やっぱり、ある程度気合いが乗りやすい馬のほうが、夏は向いてると思う。ボーっとしてるというか、性格的におっとりしている馬は、発汗が弱いやろうし、心拍数とかも上がりづらいんちゃうかな。普段からボーっとしている馬って、夏は余計にダラ〜ってなるでしょ(笑)。だから大概、おとなしくて大きめの馬が、夏負けしたりするよね。牝馬はピリッとしている馬が多いから、夏に強いんじゃないかな。

──発汗の程度もひとつの指針ということですね。

小牧 汗のかき方は重要かもしれんね。ジワーッとかいている馬とダラッダラかいている馬と。でも、それが馬券の参考になるかというと…、どうなんやろ(笑)。暑い日なら、ダラダラ汗かいてるのも普通やしね。ただ、夏に汗をかかない馬はダメやね。

──夏場は、人間も体調管理が難しい季節ですよね。それに関係して、「馬は感冒などで出走取り消しになりますが、ジョッキーの方は多少体調が悪くても、無理をして騎乗されているのでしょうか?」という質問もきています。

小牧 ちょっとした風邪程度は我慢やね。休むとしたらよっぽどでしょう。クラクラして立っていられないとかね。僕は熱を出したことがほとんどないんです。思い出そうとしても、思い出せないくらい。

──体調不良で騎乗を取りやめたことは?

小牧 ないです。園田時代も含めて、一度もないね。ケガはあるけどね。体調が悪くて…っていうのは、本当にないなぁ。

──それはすごいですね!

小牧 ずーっと昔、園田時代に調教にも出られんくらい体調が悪かったときがあったんやけど、座薬を入れられましたわ(笑)。それで普通にレースに乗りました。おそらく熱があったんやろうけど、測らんかったしね。体調を崩したといって思い出すのはそれぐらいやなぁ。

【次回の太論は?】
6月9日の阪神7Rをナムラアピアで勝利した小牧騎手。同馬への騎乗の裏には、厳しい減量の日々があったといいます。本人が選ぶ6月前半のベストレースから、勝負師たる執念が明らかに!?
質問募集
太論 / 小牧太
このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。あなたから
コラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
質問フォームへ

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング