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混迷の桜戦線

  • 2003年03月19日(水) 12時05分
 混戦模様の桜花賞戦線は、3つのトライアルが終了してもはっきりしません。ピースオブワールドの戦線離脱の穴は埋まらないまま本番に突入しそうです。

 ここまで来ると、馬の力関係以外の要素、騎乗者だの馬場状態だのといった細かいところにも目を移すことになります。より細部に比較の材料を探り、少しでも判定の基準となるものを見つけて、はっきりした展望をという思い、これしかないといった感じですね。

 トライアルのうち、アネモネSを除く2つは阪神の稍重だったこと、その2つとも勝利騎手が安藤勝だったことから、何かつかめないだろうか。特に、例年、チューリップ賞の存在の大きい桜花賞戦線ですから、ここから探りを入れるのが第一でしょうね。オースミハルカとスティルインラブの差は、道中、好位の外に出せたオースミハルカに対し、内から外に出せず直線進路をふさがれたスティルインラブの情況から、どちらとも言えないものがありました。全く同じ位置にいながら、一歩先んじた安藤勝のオースミは、本番への権利をつかむためのギリギリの馬体であったことと、本番でパートナーがどうなるかの問題もあります。

 一方、フィリーズレビューを勝ったヤマカツリリーは、阪神ジュベナイルFの2着馬。本番を十分に意識した馬体のつくりで、一気にとばす2頭の直後にいて、楽々とレースを進めた感じがありました。2着モンパルナスが初めてためるレースをして権利をつかむことに専念していたので、戦いやすかった筈です。

 荒れた力のいる中山のアネモネS組は、差し、追い込みの1、2着が、この馬場に合っていたと見るべきで、阪神ではどうかの心配が残ります。

 ますます混迷の度を深めた中にも、少しは先を見る材料はあり、最終的には、枠順と展開、勝ちタイムなどからしぼり込むことになったということでしょうか。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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