8月14〜16日のお盆休みに、地方競馬のJPNダートグレード競走が三つあった。盛岡のクラスターC(JPNG3)、佐賀のサマーチャンピオン(JPNG3)、門別のブリーダーズゴールドC(JPNG2)である。
今に始まったことではないが、三つとも、中央の所属馬が上位を占めた。クラスターCは1〜3着、サマーチャンピオンは1、3着、ブリーダーズGCは1〜5着までがすべて中央の所属馬だった。
この期間中、地方競馬条件交流競走(下級の一般レースだが、JRAが賞金を援助しているため賞金が高い)も6つあったが、こちらも勝ったのはすべて中央の所属馬だ。
庇(ひさし)を貸して母屋を取られる。まさにこの「ことわざ」がふさわしい。地方競馬は軒先を貸したばかりに、いつの間にか家全部を取られてしまっている。
冒頭のJPNグレードレースも、JRAが資金を援助しているから、一般の重賞よりも賞金は高い。しかし、その賞金を持っていくのは、ほとんどが中央の所属馬だ。
地方競馬の活性化のため、当初はそれなりの効果があった。中央のジョッキーがやってくるから、集客力もあった。しかし、今はすべてが形骸化し、ただただ事務的に行われる「中央所属馬の狩り場」となっている。
それでも地方競馬の主催者が、「中央の馬が来るのは、馬券の売上増につながるからありがたい」というのであれば、とくに問題はない。
しかし、先のブリーダーズGCは6頭立てで(当初は7頭だったが、1頭回避した)、うち5頭が中央の所属馬。配当も馬複が130円、馬単が220円、3連複が170円、3連単が440円である。これで馬券の売上が伸びるはずがない。
おまけに、どこに行っても似たようなメンバーが集まる。馬券はかなり自由に買えるようになったが、肝心の中身が伴わない。
JPNグレードレースの数を減らすなり、地方馬に有利な条件を設けるなり、そろそろ抜本的な改革をしなければ、交流重賞の魅力が遠のいていくばかりだ。