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セントライト記念、ディープVSステイの勝負の行方

  • 2012年09月14日(金) 12時00分
 ディープインパクト産駒が、今秋のセントライト記念に8頭、ローズSに4頭登録してきた。ワールドエース、トーセンホマレボシが戦線離脱しても、代わりを担う予備軍は豊富だ。

 ローズSに登録しているジェンティルドンナ、ヴィルシーナは桜花賞、オークスの1、2着馬。牝馬は、春の主力組がそのまま秋も活躍する傾向が強い。勢力図が大きく変わることはないだろう。

 問題は牡馬だ。セントライト記念に登録しているディープインパクト産駒8頭は、エタンダールを除けば、菊花賞を狙うには「帯に短しタスキに長し」といった感じで、成長力、スタミナに疑問符がつく馬が多い。

 ディープインパクトの場合、父のサンデーがそうであったように、産駒に菊花賞、有馬記念、天皇賞・春といった長距離大レースを期待するには、配合牝馬の成長力、スタミナのバックアップが重要となる。その点で、セントライト記念組は魅力に欠ける。

 唯一、エタンダールの母系は欧州のステイヤー牝系がベースだ。母の父モンジュー(サドラーズウェルズ系)、祖母の父ハイエステイト(ミルリーフ系)のいずれも、欧州の長距離界で君臨した血脈が入っている。セントライト記念で好勝負するなら、菊花賞でも面白い存在になる。

 ディープインパクト産駒の有力どころは、次週の神戸新聞杯に出てくる。こちらに成長力、スタミナが見込める配合馬が多い。この中から、菊花賞を狙う主力組が形成されるだろう。

 ただ、昨年と同じくディープインパクトの刺客は、今年もステイゴールドのような気がする。セントライト記念には、ダービーでハナ差2着惜敗のフェノ−メノが、次週の神戸新聞杯には、皐月賞馬のゴールドシップが登録している。

 オルフェーヴルが凱旋門賞の前哨戦、フォワ賞に出走するのも今週だ。連休明け、来週明けの話題をさらうのは、果たしてディープインパクト、ステイゴールドのどちらになっているだろう。
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