9月19日(水)に大井で行われた東京記念は、断然人気となったトーセンルーチェこそ勝負どころでの手ごたえが今ひとつで4着に敗れたが、メンバーが揃って見ごたえのあるレースとなった。3番手追走のスマートインパルスが直線を向いて先頭に立ちかけたところ、カキツバタロイヤル、スターシップが並びかけてきたが、しかしスマートインパルスは差し返すように突き放し、昨年11月の勝島王冠以来の重賞勝利となった。
対照的に、今ちょっと心配しているのが、26日(水)に行われるJpnIIの日本テレビ盃だ。地元南関東勢は17頭の登録があるが、その中には東京記念2着のスターシップ、3着カキツバタロイヤル、4着トーセンルーチェ、6着マズルブラストなどがいる。
それらがおそらく連闘では出走してこないであろうことを考えると、残った南関東の有力馬は、マグニフィカ、マニエリスム、シーズザゴールドあたりだろうか。前々走京成盃グランドマイラーズで久々の勝利を挙げたマグニフィカはJpnI勝ちがあり57キロを背負う。
マニエリスムは復帰2戦目の前走を勝ったものの牝馬ゆえにどうか。羽田盃勝ちのシーズザゴールドはそれ以来2年以上勝ち星がない。ほかにナイキマドリードも登録しているが、この距離はB級の条件馬だったとき以来走っていない。
枠順の発表は23日(日)だが、さて、日本テレビ盃には地元南関東からどの馬が出てくるのだろう。
本来であれば、南関東限定重賞の東京記念よりも、交流の日本テレビ盃のほうに、より充実したメンバーが揃わなければならないはず。しかし実際にそうならないのは、中央所属馬との実力差がはっきりしているためだろう。
そう考えると、東京記念のメンバーが充実したことを素直に喜んでいいものかどうか。地方で行われるダートグレードの中央枠がフルゲートの1/3程度と決まっている現状では、ますます馬券的な妙味は薄くなる。
そうした傾向は近年特に顕著で、南関東の最高峰ともいえる帝王賞でも、今年は南関東所属馬は4頭、昨年末の東京大賞典はわずか3頭しか出走がなかった。メンバー的にも、フリオーソ不在となれば、必ずしもフリオーソに続く2番手、3番手という実績上位の馬が出ているわけではない。溝は深まるばかりだ。
95年に中央・地方間での開放が始まってから間もなく20年。交流重賞の中央枠が少ない問題は以前にも指摘したが、さまざまなところに歪が出てきている。