9月23日の中央競馬が終了した時点で、総合種牡馬ランキングは、ディープインパクトが2位のキングカメハメハに2億円以上の差をつけていた。
春のクラシックが終わって以降、ずっとこの差をキープしていたから、「今年の日本リーディングサイヤーはディープインパクトでほぼ決まり」と、書いたものだ。2世代目の層の厚さは鉄壁と言ってよく、キングカメハメハが逆転することはとても考えられなかった。
ところが、3日後の26日、交流重賞(JpnII)の日本テレビ盃をソリタリーキングが勝つと、30日にはスプリンターズSをロードカナロアが、翌10月1日にはシリウスSをナイスミーチューが勝って東西制覇。
さらに条件級でも、準オープンのサトノタイガーを筆頭に5頭が勝ち上がり、産駒の総獲得賞金は36億2187万9000円となった。対するディープインパクトは36億3132万8000円。たったの1週間で1000万円弱に縮まってしまった。
今週、キングカメハメハ産駒は京都大賞典にローズキングダムが、ディープインパクト産駒は毎日王冠にトーセンレーヴ、リアルインパクト、ダノンシャークが登録している。結果しだいでは、キングカメハメハの首位奪回もあり得るだろう。
ただ、翌週には秋華賞が控えている。ジェンティルドンナ、ヴィルシーナを双璧にディープインパクトの牝馬陣は層が厚い。かりに首位奪回が成ったとしても、三日天下に終わることが予想される。
ジャパンC、有馬記念を双璧に、これから暮れまで高額賞金レースが続く。2頭の日本リーディングサイヤー争いは、最後までもつれ込みそうだ。
その鍵を握るのは、おそらくステイゴールド産駒だろう。オルフェーヴル、ゴールドシップ、フェノーメノらが高額賞金レースをかなり食うことが予想される。
それによってディープインパクト、キングカメハメハのどちらが得をし、損をすることになるのか。興味は尽きないが、ひとまず今週は、オルフェーヴルの凱旋門賞を応援することにしよう。