フジキセキ産駒のサダムパテックが、マイルCSで悲願のタイトルを手にした。今年5月の京王杯スプリングCが、弥生賞以来1年2か月ぶりの勝利。早熟のように見えて早熟でなく、落ちても落ちても根性で這い上がる。それがフジキセキ産駒の持ち味だ。
サダムパッテックも決して死んではいなかった。三冠レースは皐月賞2着、日本ダービー7着、菊花賞5着。どれも善戦しながら無冠に終わり、オルフェーヴルが三冠馬に輝いてスポットライトを浴びるなか、存在感を失っていった。
しかし、皐月賞が1番人気、日本ダービーが2番人気に支持された馬である。さまざまな距離を使われてきたが、フジキセキ産駒のGI勝ちは、マイルとスプリントに集中している。サダムパテックもやっぱりマイルで、初の勲章を手にすることになった。
ただ、これまでフジキセキ産駒にマイルCSの勝ち鞍はなく、初年度産駒のダイタクリーヴァが2000年に2着となったのが、最高着順だった。新たな勲章を手にしたフジキセキだが、安田記念はまだ勝っていない。かくなるうえは、サダムパテックにもう一仕事してもらうことにしよう。
さて今週はジャパンC。オルフェーヴルはフランスで長く調教を積んでいたため、欧州向きの馬になってしまっている心配が、ないわけではない。しかし、天気予報は土曜日が雨。日曜日は晴れるようだが、馬場はまだ水分を含んでいるはず。馬券は素直にオルフェーヴルから買うことにする。
鞍上は、スミヨンから再び池添に戻る。凱旋門賞挑戦をおろされた無念。それを晴らす場としては絶好の舞台だろう。ここで勝たなければ、男になれぬ。
日本馬に乗る外人ジョッキーは、目をつぶってすべて押さえる。エイシンフランシュを天皇賞・秋で勝利に導いたM.デムーロ。ドナウブルーをマイルCSで3着に導いたC.スミヨン…。これまで消して悔やんだ馬券は数知れない。