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国内外で活躍中、キングカメハメハ産駒に期待

  • 2012年12月14日(金) 12時00分
 キングカメハメハが初年度産駒を競馬場に送り込んだのは、2008年のこと。あれから4年が経ち、今夏、5世代目を2歳戦に送り込んだ。

 昨年まで2年連続の日本リーディングサイアーに輝き、産駒の重賞勝ち馬は12月13日現在、JRA重賞、交流重賞をあわせて21頭を数える。今年はディープインパクトの猛攻に遭い、3年連続の日本リーディングサイアーはほぼ絶望となったが、勝ち星などの数値は前年の自身を上回っている。

 その原動力となったのがダート路線だ。昨年まで、ダートの重賞勝ち馬はゴールデンチケットのみだったが、今年は6頭がダートで初重賞勝ちを飾った。このうち、ハタノヴァンクール(ジャパンダートダービー)と、タイセイレジェンド(JBCスプリント)が、交流GI(JpnI)を勝っている。

 芝路線でもロードカナロア、ルーラーシップらが活躍したが、3歳のクラシックは伸び悩んだ。ディープインパクトと年間を通して日本リーディングサイヤーの座を争ったのは、このダート路線で“新境地”を開いたのが大きい。

 重賞勝ち馬21頭のうち、母の父にサンデーを持つ馬は6頭、そしてダンスインザダークが1頭。思ったほど多くなく、むしろアパパネ(母の父ソルトレイク)、ロードカナロア(母の父ストームキャット)に代表されるように、輸入繁殖牝馬、外国産馬、持込馬を母に持つ重賞勝ち馬が9頭もいる。

 キングカメハメハの優秀な種牡馬成績が、単にサンデー系牝馬に恵まれたものではないことが、この数字でよくわかる。キングカメハメハの柔軟な和合性と、芝、ダートを問わない万能性は、今後の大きな武器となっていくことだろう。

 むろん、芝路線の鍵を握るのがサンデー牝馬であることには変わりない。ローズキングダムがその筆頭格にいたが、今年、新たにコディーノが加わった。もし来年のクラシックで主役を務めるなら、日本リーディングサイヤーの奪還も可能となってくる。

 今週の朝日杯FSで、そのコディーノがどんな走りを見せるか。しかと見届けておきたい。

血統評論家。月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。著書「競馬の血統学〜サラブレッドの進化と限界」で1998年JRA馬事文化賞を受賞。「最強の血統学」、「競馬の血統学2〜母のちから」、「サラブレッド血統事典」など著書多数。

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