関東馬限定のPOGに参加している。例年だと、おいしいところは関西馬がほとんどさらっていくので、大勝ちも、大負けもない。家庭麻雀のような平和なPOGで収まる。
ところが、昨年は様子が違った。ダービーこそ関西馬が上位を占めたが、それまでのクラシック戦線はロゴタイプ、アユサン、コディーノ、ヒラボクディープら関東馬が大健闘。おかげでPOGは平和ムードが吹っ飛び、修羅場と化した。
逃げる者はいなかったが、もう金輪際やらないと脱落する者が出る始末。そんな中で行われた今年のドラフトは、妙に目が血走っている者が多く、最後までギスギスした雰囲気だった。
このPOGは今年で28回目になる。まだPOG本の類は1冊もなく、POGという名すらなかった時代から、仲間内で和気あいあいとやってきた“老舗”だ。だが、今年の2歳世代も関東馬が強いようなら、ちょっと考え直さなければいけない。
POGが殺伐とした銭儲けの場と化しては、本来の楽しみが薄れる。ただ、今年は関西馬がまず巻き返すだろうから、それほど心配はしていない。元の平和なPOGで収まると思っている。
それはそうとダービーを勝ったキズナ。母のキャットクイルが20歳のときの仔だ。JRA提供の「競馬ミニデータ」によると、1984年のグレード制導入以降、クラシック馬の母としては最高齢だという。
GIに拡大しても、1995年のマイルCS、1996年の安田記念を勝ったトロットサンダーの母、ラセーヌワンダと並ぶタイ記録。19歳時の出産としては、ダンツシアトル、ダイタクヤマト、タップダンスシチー、ピンクカメオの母がいるが、20歳はさすがに少ない。
血統の常識は、確率で成り立っている。しかし、名馬はそんな常識に逆らって誕生してくるもの。大事な宝物が、手からするりとこぼれ落ちないようにしたい。