先週の新馬戦。ヨハネスブルグ産駒が3頭も勝ち上がった。ファーストシーズンサイヤー(2歳新種牡馬)部門は、この勝利でヨハネスブルグが堂々の首位に立った。
まだ2歳戦は始まったばかり。猛暑の夏に首位に立ったところで、明るい未来が約束されたわけではないが、正直なところホッとしている。
実は今春、ヨハネスブルグを導入した日本軽種馬協会から原稿の依頼があった。「このところ人気が急落し、昨年は閑古鳥が鳴く始末。見直してもらうために、成功の可能性について書いてほしい」というものだった。
調べてみると、確かに初年度は117頭の配合牝馬を集めたものの、2年目は37頭に激減。さらに2012年の3年目は23頭にまで落ち込んでいる。
初年度産駒の評判が良くなかったのか。後に導入したエンパイアメーカー(米リーディングサイヤー)に人気を奪われてしまったのか。しかし、この人気急落は解せなかった。すでにヨハネスブルグは、海外で重賞勝ち産駒を22頭も出していたからである。
内訳はGI勝ち馬4頭、GII勝ち馬8頭、GIII勝ち馬10頭。その世代分布(延べ)は、以下のとおりになっている。
1世代目(2004年生)(11頭)現9歳
2世代目(2005年生)(3頭)現8歳
3世代目(2006年生)(4頭)現7歳
4世代目(2007年生)(3頭)現6歳
5世代目(2008年生)(0頭)現5歳
6世代目(2009年生)(0頭)現4歳
7世代目(2010年生)(1頭)現3歳
日本に入ってから、初期の勢いがトーンダウンしてしまったことが、人気を落とした一因にあるのだろう。成功は間違いなしと書いたものの、半信半疑の部分がなかったわけではない。
だが、先週の3頭の勝ち上がりは、その不安を解消してくれるものだった。昇級戦でどこまで通用するか。今の勢いを3歳戦に持ち越す成長力を秘めているか。これからクリアすべき課題は多いが、閑古鳥が鳴くような種牡馬でないことだけは確かである。