スマートフォン版へ

最強の三冠馬伝説開幕(ナリタブライアン)

  • 2013年11月18日(月) 12時00分
ナリタブライアン

ナリタブライアン



◆シャドーロールがトレードマークの三冠馬

 1992年の暮れ、史上空前の競馬ブームを巻き起こしたオグリキャップが、有馬記念で劇的な勝利を収め、惜しまれながら引退していった。

 国民的ヒーローが姿を消す。競馬ブームがそのまま下火になるかと思われが、どっこい馬券の売上は依然として右肩上がり。街の書店も競馬コーナーが充実し、さまざまな書籍、写真集、雑誌が並んで百花繚乱のにぎわいを見せていた。競馬が最も華やかで、最も世に注目された時代だった。

 そこに彗星のごとく登場したのが、史上5頭目の三冠馬に輝いたナリタブライアンである。だが、3歳時の使われ方は三冠馬のイメージとはほど遠いものであった。3歳の8月にデビューして、暮れまでの4か月で7回も出走している。三冠を意識する馬なら、未完成時にこんな酷使はしない。

 馬の3歳は、人間なら中学生みたいなもの。成長途上のこの時期に無理をすると、才能の芽を摘みかねない。レースを調教がわりに使った大昔ならいざ知らず、今は素質馬を2歳戦で酷使するのは御法度だ。

 ハードに使われのるは陣営が早熟馬とみなしたか、能力の低いB、C級の馬とみなした馬がほとんど。早いうち稼げるだけ稼いでおこうという思惑がそこにある。しかし後年、管理していた大久保正陽調教師はインタビューでこう答えている。

「ナリタブライアンはテンションが高く、レースが近づくとより興奮する傾向がありました。このためローテーションの間隔を詰め、多くのレースを使うことでエネルギーを発散させ、興奮を抑えようとしたんです」

 高性能のエンジンを搭載したナリタブライアンにとって、3歳時の7戦は調教と変わらぬ消耗度だったのかもしれない。陣営の目の色が変わったのは、デビューから6戦目の京都3歳S(現京都2歳S)だった。従来のレコードを1秒1も更新する驚異的なタイムで駆け抜けたのである。

 ナリタブライアンは臆病な面があり、自分の影に驚いたりしてレースに集中しないところがあった。そこでシャドーロール(下方の視界を遮る馬具)を初めて顔に装着したところ、このとんでもないレコードで勝利したのだった。

 以後、シャドーロールがナリタブライアンのトレードマークとなっていく。むろんレースぶりも一変。続く朝日杯3歳S(現朝日杯フューチュリティS)を3馬身半の楽勝。年が明けて出走した共同通信杯4歳S(現共同通信杯)も4馬身、続くスプリングSも3馬身半で楽勝し、牡馬クラシック第1弾の皐月賞を迎えた。

 断然の1番人気に支持されたが、道中は落ち着いたもの。残り200m地点で抜け出すと、後続との差を広げるばかり。ここでもコースレコードを塗り替え、3馬身半の楽勝で5連勝を飾った。

 しかし、この勝利は最強馬伝説の単なる序章にすぎなかった。その後、日本ダービー、菊花賞も勝って三冠馬に輝くが、菊花賞は着差が7馬身のレコード勝ち。古馬との初対決となった有馬記念も3馬身差で勝ち、年度代表馬の勲章までも手にするのである。もう手がつけられないほどの強さだった。(吉沢譲治)


◆レース詳細
1994年4月17日
第54回 皐月賞(GI) 中山/芝右 2000m/天候:晴/芝:良

1着 ナリタブライアン   牡4 57  南井克巳 1:59.0
2着 サクラスーパーオー  牡4 57  的場均  3.1/2
3着 フジノマッケンオー  牡4 57  武 豊  3/4

◆競走馬のプロフィール
ナリタブライアン(牡4)
父:ブライアンズタイム
母:パシフィカス
騎 手:南井 克巳
調教師:大久保 正陽(栗東)
馬 主:山路 秀則
生産牧場:早田牧場新冠支場
※年齢は当時の旧年齢表記

40万DL突破!伝説の名馬に挑め!

40万DL突破!伝説の名馬に挑め!

40万DL突破!伝説の名馬に挑め!
 爽快!競馬パズルゲーム「パズルダービー」、40万DL突破!

「パズルダービー」はマッチ3形式(同じ色を3つ揃えるブロック消し)のパズルと競馬が融合し、伝説の名馬のシナリオに挑戦する競馬パズルゲームです。レースでは、ディープインパクトやオルフェーヴルなど名馬のシナリオを完全再現。競馬ファンなら感動再び、競馬を知らない方はパズルを楽しみながら、競馬の魅力を知っていただけます。

 登場する名馬は700頭以上。また、週末に開催される中央競馬とのリアル連動イベントや各種キャンペーンも満載です。この機会に是非お楽しみください!

「嗚呼、愛しき名馬たち〜netkeiba 名馬列伝〜」では、記録と記憶に残る伝説の名馬の足跡をプレイバック。名馬たちが繰り広げた伝説の数々が蘇ります!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング