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決め手は膝の柔らかさ!? 名手・太の原点に迫る

  • 2013年11月19日(火) 18時00分
小牧太

名手・太の原点に迫る


レジネッタでの記念すべきGI初制覇の夜、実は小牧騎手、ひとりでひっそりと飲んでいた!? 今回はそんな目撃談の真実や、来年の番組変更について、さらにダートで馬を動かす技術についてなど、ユーザーからの質問に熱い太論を展開します。
(取材・文/不破由妃子)


◆皐月賞も場所を変更したらいいのにねぇ

──今回は、ユーザーからこんな目撃談と質問が届いています。「レジネッタで桜花賞を勝った夜、十三で小牧さんがおひとりで飲んでいるのを僕の友人が見かけたらしいのですが、本当ですか?」というものです。GI制覇の夜に、まさかのひとり飲み!?

小牧 ひとりでは飲んでないよ! それは明らかな見間違いやね。確かに十三にはいたよ。新聞記者さんとか友達とか、大勢で焼肉屋に行ったんやわ。さすがにひとりじゃ飲まんでしょ、そんな日に(苦笑)。あの日は結局、みんなで十三の東横インに泊まって、一度もひとりにはなってないね。

──では、質問を送ってくれたユーザーのご友人が目撃したのはいったい…。

小牧 ん〜、たとえば、僕がちょっとカウンターで一休みしていたときとかちゃう? とにかくあの日は、朝までみんな一緒やったからね。

──ですよね。続いては、「長年競馬を観ていて、小牧さんのダートでの馬の動かし方は、関西一だと思っております。ダートで馬を動かすうえで、一番重要な技術とは、どういったものだと思われますか?」という質問です。

小牧 技術的なことはうまいこと説明できんけど…。まずは気持ちが第一、それから下半身の強さやね。僕はつねに、ジョッキーにとって大事なのは、下半身やと思っているから。腕の力は、さほど関係ないと僕は思うね。とにかく、下半身が衰えたらダメ。そう思って、衰えんように鍛えたりほぐしたり、下半身のケアには力を入れているつもりやけどね。とはいっても、人よりとくに下半身が強いかというと、そうは思わんけど。あとはまぁ、長年園田競馬で培った経験の賜物やろうね。

まずは気持ちが第一

技術的なことはうまいこと説明できんけど…。まずは気持ちが第一


──レースを見ていていつも思うんですけど、小牧さんは膝がすごく柔らかくないですか? 馬の上下の振動を膝で吸収しているように見えます。それが、馬を動かすことにどう繋がっているのかは、わたしにはわかりませんが。

小牧 ああ、馬に乗っているときは柔らかいかもしれん。僕ね、基本的には体が硬いんですわ。でも膝は…柔らかいんかなぁ。それはね、教養センターのころから言われてた。基本馬術をやっているときに、反動を抜くのがうまいって。自分では全然わからなかってん。さっきも言ったように、体自体は今も昔も硬いからね。でも教官に、「お前、馬に乗ったら柔らかいなぁ」って、よう言われて。

──なるほど。生まれ持ったセンスなのかもしれませんね。

小牧 そういえば、まだあまり乗馬の経験がないときに、技能検査で反応が激しい馬に乗ったんですわ。そこで僕、1位になってん。自分でもビックリしてね。“あれ? ひょっとして馬乗りのセンスがあるんかな?”って、そこで初めて思ったわ。運動神経は悪いほうではなかったけど、なんにしても1位になったことなんてなかったから。

──最後は、来年の番組についての質問です。「ジャパンCダートがチャンピオンズカップという名称になり、中京のダート1800mで行われることになりました。これにより、中京で2つのGIが行われるわけですが、この変更について小牧さんはどう思われますか?」というものです。

小牧 海外は左回りのほうが多いから、中京にするんかなと思ったんやけど、どうやら日本馬の最強ダート王決定戦という位置づけらしいやん(さまざまな規制により、外国馬が積極的に参戦しないため)。だったら阪神でもいいのに、と思った。ナイスミーチューにとっても、阪神のほうがいいしね(笑)。

──中京でGIが2つ行われることについてはどう思われますか?

小牧 僕、今やすっかり中京好きやからね。昔は大っ嫌いやったけど(笑)。馬場が広くなったことで力勝負の競馬場になったから、GIの舞台としてはいいんちゃいますか。

──そのほか大きな変更点としては、朝日杯フューチュリティSが中山から阪神に舞台が変わるそうです。

小牧 それはまた別物のレースになるね。阪神は乗りやすいし、実力が出やすいコースやけど、中山は逆やからね。皐月賞も違う場所にしたらいいのにねぇ。開催の最後の週やから、馬場が悪くて、あれはちょっとね…。実際、回避する陣営も多いですやん。まぁ馬場の状態はともかく、朝日杯が実力勝負の阪神に変わるのは、ジョッキーとしては歓迎やね。

【次回の太論は?】
 11月9日の京都3Rで落馬し、その週はすべて乗り替わりとなった小牧騎手。ケガの程度が心配されましたが、翌週には無事復帰し、ファンを安心させてくれました。次回はその落馬の状況を中心に、直近のレースを振り返ります。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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