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参上!気まぐれ番長(オルフェーヴル)

  • 2013年12月09日(月) 12時00分
オルフェーヴル

オルフェーヴル




◆3歳時はオルフェーヴル物語の序章

 競馬の三冠レースとは、春の皐月賞、日本ダービー(東京優駿)、秋の菊花賞のことをいう。3歳馬だけが出走できる大レースで、チャンスは一生に一度しかない。

 三冠レースをすべて制した馬を「三冠馬」と呼ぶが、達成するにはスピード、瞬発力、スタミナ、パワーなど、すべての資質を備え持った万能性が必要で、むろん卓越した能力と、年間を通して活躍できる頑健さも求められる。

 このため三冠馬となるのは至難のわざで、およそ75年の歴史のなかで7頭しか誕生していない。戦前のセントライト、戦後のシンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴルがそれだ。

 多くが時代の最先端を行く血統背景を持つが、オルフェーヴルだけは違っている。他の三冠馬が「銀座の三つ星レストラン」とすれば、オルフェーヴルは「田舎の大衆食堂」といった感じだったのである。

 父のステイゴールドは叩き上げタイプだった。未勝利を勝ちが上がるのに5戦を要し、春の皐月賞、日本ダービーは出走すらできなかった。秋の菊花賞は8着。そこから地道に実績を積み上げた馬で、その出世過程はまるで二流のマイナー血統から這い上がったかのようだった。

 母系がこれまた地味。母の父メジロマックイーンは名ステイヤーだったが、種牡馬成績は水準級でしかなく、GIを勝つ大物は出していない。おまけにその血統背景たるや、時代の遺物といった古さだった。

 そんな血統から三冠馬が誕生したのだから、トンビがタカを生むとはこのこと。もっとも、デビュー当時のオルフェーヴルは気まぐれで、トンビそのものだった。2歳夏にデビュー戦を勝ち上がったものの、2戦目は2着。それでも続く重賞の京王杯2歳Sは1番人気となったが、10着に惨敗して期待を大きく裏切ってしまう。

 3歳になり、重賞のシンザン記念、きさらぎ賞に出走したが、いずれも2着、3着。父ステイゴールドの戦績によく似ており、「このあたりが出世の限界」とささやかれたものである。

 ところが、続く皐月賞トライアルのスプリングSで久々に勝利すると、やにわに覚醒モードに突入。皐月賞、続く日本ダービーも制し、さらに秋の菊花賞も早めにスパートしてそのまま押し切る横綱相撲で撃破した。春先までは気まぐれだったオルフェーヴルが、見違えるばかりの三冠馬となっていた。

オルフェーヴル

菊花賞を制し史上7頭目の三冠馬となったオルフェーヴル



 古馬との初対決となった暮れの有馬記念。単勝2.2倍の1番人気に支持されたオルフェーヴルは、菊花賞同様に早めのスパート。そのままゴールまで長い末脚を伸ばして、古馬をまとめて差し切った。6連勝を飾るとともに、ついに日本最強馬の頂点に立ったのである。

 だが、この3歳時はオルフェーヴル物語のまだ序章にすぎなかった。翌年になると、生来の気まぐれさが表に出たりするが、それが逆転の劇的なドラマを生み出す伏線となり、スターホースへの階段をひとっ飛びに駆け上がっていくこととなる。(吉沢譲治)


◆レース詳細
2011年12月25日
第56回 有馬記念(GI) 中山/芝右 2500m/天候:晴/芝:良

1着 オルフェーヴル    牡3 55  池添謙一 2:36.0
2着 エイシンフラッシュ  牡4 57  ルメール 3/4
3着 トゥザグローリー   牡4 57  福永祐一 クビ

◆競走馬のプロフィール
オルフェーヴル(牡3)
父:ステイゴールド
母:オリエンタルアート
騎 手:池添 謙一
調教師:池江 泰寿(栗東)
馬 主:サンデーレーシング
生産牧場:社台コーポレーション白老ファーム

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