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ネコパンチが東京競馬場に向けて出発

  • 2013年12月17日(火) 20時00分
第二のストーリー

2012年日経賞優勝時




※この記事は2013年12月13日にニュースで掲載いたしました

 有馬記念のファン投票で8296票を集めて29位と、引退後もなお多くのファンに愛されていることを証明したネコパンチ(セン7)。11月20日に競走馬登録を抹消された後は、美浦トレーニング・センターの「乗馬苑」に滞在していたが、12月12日(木)に東京競馬場に移動した。

 現役時代はヤンチャだったネコパンチだが、乗馬苑の職員によると「11月23日に去勢した後はすっかり大人しくなり、噛むこともなくなりました。ウォーキングマシンに入ると、頭を下げて真面目に歩いていますし、スポーツ少年団の子供たちが来て賑やかな時でも、上がりかけたテンションがすぐに下がって落ち着いていますよ」とのこと。現状を聞く限り、誘導馬としての将来も明るそうだ。

 見送りに来た星野忍調教師は「たくさん走りましたからね。本当に良く頑張ってくれました」と、ネコパンチの首筋をポンポンと叩いてねぎらった。

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星野師から草をもらうネコパンチ


 及川雅章厩務員は「餌をくれる人として覚えているだけですよ」と言いながらも、鼻づらを寄せてくるネコパンチと嬉しそうに戯れていた。そして「こんな馬にはもう出会えないでしょうね」とつぶやいた。

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出発直前、星野調教師と及川厩務員とともに


 カメラに収まったネコパンチの瞳は、これまで見たこともないほど穏やかで、現役時代はいつもピカピカだった馬体にも冬毛が生えている。競走馬から乗馬に、すっかり生まれ変わったようにも感じられた。

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及川厩務員と遊ぶネコパンチ


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及川厩務員に甘えるネコパンチ


 ネコパンチが乗った馬運車は、星野調教師と及川厩務員、乗馬苑関係者に見送られて、午後12時過ぎに第二の馬生を送る東京競馬場に向けて走り出した。(取材・写真:佐々木祥恵)

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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