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浦和記念を勝ったボランタスのその後

  • 2013年12月17日(火) 18時30分
第二のストーリー

2011年サンタアニタトロフィ(大井)出走時




※この記事は2013年07月10日にニュースで掲載いたしました

 2011年に交流重賞の浦和記念(JpnII)に優勝したボランタス(9歳)が、地方競馬の登録を抹消し、乗馬として第2の馬生を歩み出した。

 中央時代は栗東の角居勝彦厩舎に所属し、重賞勝ちこそなかったものの、オープン馬としてダート戦線を賑わした同馬。川崎の山崎尋美厩舎に移籍後に、交流重賞の浦和記念をはじめ、報知オールスターC、埼玉栄冠賞、ゴールドCの重賞タイトルを手にする活躍を見せた。

 2012年1月25日(川崎記念・JpnI・6着)以来、脚部不安のためレースから遠ざかっていたが、復帰予定だった京成盃グランドマイラーズに向けての追い切り後、脚元に故障をを発症。引退が決定し、6月23日(日)に茨城県常総市にある守谷乗馬クラブに入厩の運びとなった。

「こちらに来てすぐに去勢をしました。最近、軽めの運動を始めたところです」と当クラブ代表の小池啓補氏。「うるさいところがあると聞いていましたが、大人しいですよ。それに何ごとにも動じない馬ですね。強い風が吹いただけで驚く馬もいるのですが、それも全く平気です。大きな舞台を経験しているというのもあるでしょうし、頭も良いのだと思います」(小池代表)

第二のストーリー

第二のストーリー

「乗馬としての調教はこれからですが、大人しい馬ですから、将来的には初心者でもボランタスに乗って乗馬を楽しんで頂けると思いますよ」(小池代表)。1年以上休養していたとはいえ、ついこの間まで現役の競走馬だったとは思えないほど、ボランタスの表情は穏やかで優しい。その姿を眺めているだけで、心が癒されたような気がした。

 ボランタスに騎乗できるのはもう少し先になりそうだが、事前に連絡をすれば見学可能とのこと。機会があれば、心を癒されにボランタスに会いに行ってはいかがだろう。(取材・写真:佐々木祥恵)

守谷乗馬クラブHP

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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