スマートフォン版へ

東京新聞杯とG1好走馬

  • 2014年02月04日(火) 12時00分


◆G1好走馬がその後の芝G3でどのような成績を残しているか

 今年の東京新聞杯には、G1馬も登録しており、G1で2着、3着歴のある馬も登録している。

 G1を狙えるような馬はG2・G1を中心に使われていくことが多いが、別定条件との兼ね合いで斤量をさほど背負わない場合は、今回のようにG3を使うこともある。そこでファンの考え方はふたつに分かれるだろう。「G1で馬券に絡むような馬がG3に出るなら当然通用するだろう」という考え方がひとつ。もうひとつは「G1で馬券に絡んでいた馬がG3に出るということは、もうよほど勢いがないのだろう」という考え方である。

 あれこれ考えるより実際の数字を見てみよう。2歳戦を除く芝G1で優勝した馬(2004年以降)がその後芝のG3に出走したケースの成績は、[12-9-6-81]で回収率は単74%・複86%。G1を勝った年とその翌年に限定すると[6-5-4-42]で回収率は単68%・複79%。

 芝G1の2着馬を対象にすると、その後通算の芝G3成績は[27-22-18-189]で回収率は単68%・複69%。G1・2着の年とその翌年限定だと[17-13-12-96]で単72%・複66%。芝G1の3着馬を対象にすると、その後通算で[37-37-25-250]で単73%・複71%。G1・3着の年とその翌年限定だと[30-21-16-123]で単103%・複82%となっている。

 それぞれの対象にまたがっている馬もいるが、いちばん回収率が良いのは「G1で3着した馬のその年か翌年」で、勝率や複勝率は互いに決定的な差はない。

 やはりG1連対馬はビッグネームすぎて馬券が売れすぎるという面もあるのだろう。G3では「G3にちょうどいい感じ」も必要ということか。ちなみに今回の登録馬だとコディーノとダノンシャークが条件にぴったり。まだ年明け早々なので2012年のG1・3着もカウントするとコスモセンサーとショウナンマイティもあてはまるが、後者はご存知の通りその後にG1で2着にも入っている。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング