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「栗東滞在調整」でGI制覇狙うブライトエンブレムと小島茂之厩舎(辻三蔵)

  • 2014年10月28日(火) 18時00分


◆小島茂厩舎の栗東滞在時のGI戦績は[2-0-1-3]と好成績

 札幌2歳Sを快勝したブライトエンブレムの次走が朝日杯FS(12月21日GI、阪神芝1600m)に決まった。9月10日にノーザンファーム早来に放牧に出ているが、11月上旬に美浦トレセンに帰厩予定。小島茂調教師が「先日、牧場で見てきましたが、トモの厚みが増して、凄く良い体付きになっていましたね」と話すように、休養中に馬体重は500キロ台に到達(前走出走時:474キロ)。「まだトモに緩さがある状態」(小島茂調教師)で重賞を勝ったことを考えれば、大幅馬体増の大半は成長分と見ていい。

 当初はホープフルS(12月28日GII、中山芝2000m)と両睨みだったが、「皐月賞を見据えて中山を体験することも考えましたが、来春でも使えるレースがあるので朝日杯に向かいます。田辺騎手も阪神の外回りコースなら1600mにも対応できると話していますし、GIの雰囲気を味わうのもいい経験になると思います」と話す。

 朝日杯FSの1か月程前には栗東トレセンに移動予定。小島茂厩舎にとっては13年3月以来の「栗東滞在調整」になる。小島茂厩舎の栗東滞在時のGI戦績は[2-0-1-3](勝率33.3%、複勝率50%)の好成績を残している。母ブラックエンブレムも栗東滞在を活用して08年の秋華賞(11番人気1着)でGI勝利を果たした。09年のエリザベス女王杯(クィーンスプマンテ11番人気1着)以来のGI制覇を狙っている。

 朝日杯FSには新設重賞のいちょうSを制したクラリティスカイ、同2着のネオルミエールも向かう予定だ。中山で行われていた昨年とは違い、来年のクラシック候補が続々と参戦を表明している。

 今年の日本ダービー馬ワンアンドオンリーを出したラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)は従来の5回阪神開催からひと月繰り上がり、5回京都7日目にラジオNIKKEI杯京都2歳S(11月29日GIII、芝2000m)と名称を変更。

 一方、旧ラジオNIKKEI杯2歳Sと同時期に行われた芝中距離重賞はオープン特別のホープフルS(12月28日、中山芝2000m)をGIIに格上げして施行される。

 00年以降、ホープフルS1着馬からクラシック優勝馬を出したことは1度もない。クラシック連対馬も01年勝ち馬タイガーカフェ(02年皐月賞2着)1頭だけだ。

 皐月賞と同じ舞台で行われるにも関わらず、GIには縁遠い競走だったが、今年からGIIに昇格したことで1着賞金6500万円は朝日杯FSの7000万円に次ぐ高額重賞競走になった。2着賞金の2600万円でも昨年の優勝賞金(1500万円)を上回るように、2着以内に入ればクラシック出走ボーダーラインの収得賞金獲得も可能だ。

 新生・朝日杯FSにクラシック候補の有力馬が揃うからこそ、来年のクラシックを目標にする遅咲きの素質馬はホープフルSを狙う手はある。

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