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条件変わりした朝日杯FSの有力各馬を分析!

  • 2014年12月19日(金) 18時00分


◆阪神へ移ったことによる影響

 朝日杯の舞台が中山から阪神へ移ったことで、どのような影響があるか。少なくとも関東馬にとって有利になることはないだろうが、栗東留学の活用次第では大きな不利にならない可能性もある。

 それよりも大きな影響がありそうなのが、距離適性。中山だと1400mが立ち回り優先の競馬をして好走することも可能だったが、阪神外回りで前半がある程度流れた場合、ごまかしはきかない。前走距離は最低でもマイルは欲しいし、もちろんマイル以上での好走歴は必要。1800m好走歴があるとなお心強い。

 まずはデイリー杯組から。今回は上位馬が揃って出てきたが、京都→阪神ということを考えると前走着順のままで買うのではなく、多少いじってみたいところ。特にタガノエスプレッソは好位抜け出しだったが、同じコースの阪神JFではこのパターンは苦しくなっている。

 差しで好走したアッシュゴールドナヴィオンのほうを優先したいが、悩むのはアッシュゴールドの取り扱い。爆発力のある血統だけにあっさり優勝もあるだろうが、少しでも輸送距離が伸びる阪神という点はマイナス。一方でナヴィオンは1400mとはいえ阪神でオープン特別勝ちもあるし、人気を落とすなら馬券的には面白そうだ。

 いちょう特別からは1,2着馬がともに出走してきた。クラリティスカイは上がり33秒台という脚を一度も使わずに出世しているが、これは朝日杯の舞台においてはプラスではないかと思う。もちろんスローになってしまったらそれまでなのだが、近年の阪神JFを見てもある程度前半は流れて、レースの上がりが35秒台、勝ち馬の上がりが34秒台前半というところではないだろうか。トータルの時計が速くなること自体は歓迎だ。

 ネオルミエールは極端な枠を引いたことで、ハイリスクハイリターンではあるが無視できない存在になってきた。ただ、クラリティスカイを逆転するというハードルはある程度高い。

 ブライトエンブレムは重賞実績のある距離短縮組ということで本来は買いたいところなのだが、レース間隔は正直開きすぎている。馬自身は鉄砲もきくと思うのだが、レースの傾向としては使ってきたほうがベターだろう。また、時計を要求されない競馬をしてきただけに、全体時計が速くなった場合の対応力というのも未知数である。

 京王杯組は3頭が出走してきたがねいずれも1200〜1400mタイプ。個人的には見送る予定だ。

 105万円のオープン馬・コスモナインボールは応援したくなるプロフィールだが、3連勝がいずれも好位抜け出しで、展開も味方してのもの。GIはさすがに甘くないのではと考える。

 500万条件組ではダノンプラチナを評価したい。というか、他の馬は距離延長か前走ダートなのでこれしかない。中山時代は500万条件組というと関西馬が奮わず、関東馬が良い馬券になっていた。舞台が変わっても同様になるか、まずはこの馬の結果に注目したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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