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有力ではあるが「一強」ではない!/フェブラリーS

  • 2015年02月18日(水) 18時00分

■フェブラリーS(G1・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録21頭


【コース総論】東京ダ1600m

・コースの要所!

★人気馬サイドの信頼度は標準的。人気から穴までまんべんなく走る。
★枠番は完全に外枠優勢。内枠に入ると人気馬でも厳しいと考えるべき。
★勝つには瞬発力が必要不可欠。好位〜中団からのチョイ差しがベスト。



 2コーナー奥の引き込み線からスタートして、内枠で約150m、外枠だと約180mも芝コースを走るという、特殊なコース形態。芝適性がまったくない馬だと、ここで後れをとってしまう。他のダートコースで好走している馬でも、東京では話が別。コース適性と実績の有無が、非常に重要なコースといえる。

 この特殊なコース形態が生み出すのが「外枠有利」という特殊な結果だ。単純に「16頭立てにおける内外」を比較したデータでも、外は内よりも連対率で4.6%、複勝率で4.9%も上回っており、枠番値も明らかに外優勢。内枠に入ってしまうと、たとえ実績馬であってもかなり厳しい戦いになる。

 また、ダートとは思えないほどに瞬発力要求度が高いのも、東京ダ1600mの特徴。勝ち馬のほとんどが「上がり3F順位3位以内馬」であり、そのシェアはなんと77.6%にも達している。回収率の高さも顕著で、速い上がりを使えれば勝ち負けに持ち込めるという、まるで芝のような性質のコース。「外枠から好位〜中団待機→直線で差す」というのが、もっともイメージしやすい勝ちパターンである。

【レース総論】フェブラリーS(G1) 過去10年

・レースの要所!

★全体的に人気馬が強いレース。1番人気馬の勝率はとくに高く要注目。
★コースデータよりもさらに外枠有利。内枠の人気馬はけっこう危ない。
★距離短縮組が、距離延長組よりも圧倒的に強いレース。延長組は軽視!
★前走交流重賞組の「2着〜3着」率はかなりの高さ。頭よりヒモ狙いで。







 1番人気は過去10年で5勝と好成績なのだが、2着は一度もないという極端な成績。もっとも、3番人気以内馬はトータル[7-5-5-13]で複勝率56.7%を達成しているわけで、基本的には人気サイドが強いレース。昨年最低人気で1着に来たコパノリッキーは、かなりのレアケースだといえる。

 レースデータでもっとも特徴的なのは、やはり枠番。コースも内枠不利&外枠有利だったが、それがさらに加速している感がある。単純な内外の比較においても、勝率はなんと4倍以上、連対率や複勝率でも2倍近くの大差が出ているのだから、コースデータ以上に外を狙ったほうがベター。昨年にしても、1着から3着まで、すべてふたケタ馬番である。

 あとは、前走で出走していたレースの距離も、ぜひ注目したいポイント。ダートでの距離延長組が[2-1-2-62]で連対率4.5%、複勝率7.5%と絶不調であるのに対して、距離短縮組は[8-9-8-49]で連対率23.0%、複勝率33.8%と走りに走っている。距離延長組を割り引いて距離短縮組を買うのが、このレースの基本セオリーだ。

 それ以外では、関西馬の圧倒的な強さや先行勢の高信頼度、前走で交流重賞に出走していた組が2着〜3着にやたらと来ていることなども、押さえておきたいポイント。「前走5番人気以内かつ3着以内で、鞍上が継続騎乗」という条件を満たしていることが、このレースで好走する上での必要条件である。この条件をクリアしそうなのは、出走が叶いそうな登録馬ではコパノリッキー、コーリンベリー、サンビスタの3頭だけだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 先週末はおおむねフラットだったが、凍結防止剤の影響が気になる。

・天候予測
 水曜日まで降雨が続く。木曜日から回復の見込みもけっこうビミョー。

・注目血統
 ゴールドアリュール産駒◎、キングカメハメハ産駒△

 血統面でのトップ評価は、迷わずゴールドアリュール産駒。フェブラリーSでは、過去にもエスポワールシチーやシルクフォーチュンが好走していたが、それでも昨年のコパノリッキーには驚かされた。まるで芝のような瞬発力とダート適性の両方が要求されるコースであり、そこでゴールドアリュールの産駒が強いというのは、まさにイメージ通り。断然のプラス評価といっても過言ではない。

 馬場については、木曜日からの天候がどうなるか次第。水曜日まではけっこうな降雨量が続いており、木曜日以降もカラッと晴れるわけではなく、週末まで曇天が続きそうな気配である。また、週末にも降雨がある可能性があり、さらに凍結防止剤の影響も考慮すると、前が止まらない馬場が発生するかも。ある程度のポジションを取れる馬でないと、勝ち負けに持ち込むのは厳しいかもしれない。

★出走登録馬・総論×各論

 エアハリファの出走回避によって、おそらくコパノリッキーが一本かぶりの人気を集めるであろう、今年のフェブラリーS。しかし、まったくのノーマークだった昨年同様にいく──と考えるのは早計。2番手をかなり楽な展開で行かせてもらった「展開利」もあっての結果であり、さらに内枠にでも入ると、けっこう危なっかしい部分がある。

 当データ分析による見立ては、傑出した馬が見当たらない大混戦。もちろんコパノリッキーも有力馬の一角ではあるのだが「一強」かといえば、そんなことはなさそうである。過去に好走例のない牝馬も、今年に関してはアリではないか──などと、穴を狙いたい気持ちが盛り上がってくる。

 あとは、瞬発力要求度が高いコースであるのも重視したいファクター。そういった理由もあり、思い切ってインカンテーションをトップ評価する。期待されたチャンピオンズCはイマイチな結果に終わったが、前走の東海Sでは素晴らしい伸びを見せて3着に好走。距離短縮組であるのも大きなプラスで、ここは期待大といえそうだ。

 そして、二番手にコパノリッキー。昨年からの1年で残した実績の素晴らしさはもちろんのこと、距離短縮組であることやゴールドアリュール産駒であることも、大きなプラス材料。昨年の勝ち馬であり、コース適性の高さが証明済みであるというのも心強い材料で、人気になって当然。絶対的存在ではないというだけの話で、戴冠の最有力候補であるのは間違いない。

 三番手は牝馬のサンビスタで、四番手にカゼノコ。ここまでが上位評価組で、以下はコーリンベリー、ワンダーアキュート、ワイドバッハ、レッドアルヴィスという評価順となった。あとは、枠番がどうなるか次第。高く評価した馬であっても、内枠に入った場合には評価をかなり割り引いて考えるべきであるのを、お忘れなく。


■ダイヤモンドS(G3・東京芝3400m)フルゲート16頭/登録22頭


 ここ2年ほどは穏やかな決着が続いているが、ちょっと前にはふたケタ人気馬がバンバン突っ込んできていた、ダイヤモンドS。今年はフェイムゲームが不動の中心となりそうな気配だが、人気ほどにアテになるかどうかは微妙なところ。ちなみに過去10年、ハンデ58キロ以上馬は[0-1-0-3]と、人気を裏切るケースのほうが多い。

 注目したいのが、鞍上が乗り替わる馬。重賞ではマイナス材料となることが多いファクターながら、このレースではハンデ戦らしく[6-7-4-78]と、かなり好調なのだ。しかも、人気薄での激走例が多いのが特徴で、回収率は単複ともに100%以上。過去の傾向から考えると、「1頭以上は必ず絡む」と決め打つくらいのほうがいい。

 あとは「人気薄の関東馬」がよく突っ込んでくることや、4歳馬が圧倒的に強いのも意識しておきたいデータ。高配当の立役者となる可能性がある馬に、シャンパーニュタイセイドリームネオブラックダイヤメジャープレゼンスの人気薄4頭をあげておこう。


■小倉大賞典(G3・小倉芝1800m)フルゲート16頭/登録39頭


 こちらはダイヤモンドSとはうってかわって、ハンデを「背負っている組」が強い小倉大賞典。ハンデ57キロ以上馬は[5-4-2-13]で連対率37.5%、複勝率45.8%と、信頼度はかなり高い。しかも、人気が割れるケースが多いためか、回収率も単265%、複144%という文句なしの高さ。とりあえず、ハンデ57キロ以上は買って損ナシである。

 また、ダイヤモンドSと同様に「乗り替わり」も大幅プラス。ローカル開催で乗り替わりが増えるのは当然だが、2011年〜2014年の3着以内馬がすべて乗り替わり組となると、偶然とはいえない。カレンブラックヒルやレッドレイヴン、キャトルフィーユなど、今年は人気馬の多くが継続騎乗の想定だけに、その扱いにはくれぐれも気をつけたい。

 というわけで、ここはシンプルに「鞍上が(おそらく)乗り替わるハンデ57キロ以上馬」である、ダコールとヒットザターゲットに注目。今年に入って日経新春杯をすでに使われているダコールがトップ評価で、小倉大賞典のレース傾向も加味すると、ここから手広く流す馬券での勝負をオススメしたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧





1着 06ラブリーデイ
2着 09スズカデヴィアス
3着 04キズナ

馬単5900円的中!

資金配分は間違えた気がするけど、久々に的中(歓喜)。3連単で、04キズナと05ハープスターを3着ではなく2着に固定しているあたりが、日和ったというか甘いというか……でもいいんだ、久々に当たったから(大歓喜)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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