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コレは今年も波乱必至か!?/フィリーズレビュー

  • 2015年03月11日(水) 18時00分

■フィリーズレビュー(G2・阪神芝1400m)フルゲート18頭/登録26頭


【コース総論】阪神芝1400m Aコース使用

・コースの要所!

★内回りでもあり、先行勢優勢のコース。とくに逃げた馬は猛烈に強い!
★枠番による成績差は小さいが、大外は不思議なほどの強さで要注意。
★2番人気馬が過小評価されている印象。妙味追求ならこちらを重視で。





 阪急杯のときにも触れたが、阪神芝1400mはスペシャリストが強い、いささか特殊なコース。これは、阪急杯と阪神カップで繰り返し激走した、あのサンカルロを思い出してもらうとわかりやすい。直線が短い内回りコースであるため、マイラーよりもスプリンターに向く舞台であり、フィリーズレビューが桜花賞に繋がらないのも、いわば当然の話。瞬発力自慢のマイラーに向くコースではない、と断定しよう。

 まずは馬番別成績だが、内枠である1番〜6番がやや優勢も、そう大きく成績差があるわけではなく、おおむねフラット。これは、最初のコーナーまでが長いという、阪神芝1400mのコース形態によるものだ。あまり枠の内外を気にかける必要はないが、猛烈に強いのが「大外」馬番。信頼度、回収率、枠番値のいずれも超優秀なだけに、ぜひ覚えておきたいポイントである。

 また、逃げ馬が非常に強いコースであるのも特徴で、クラスを1000万下〜重賞に限定したデータにおいても、勝率20.8%と図抜けて優秀な結果を残している。その爆発力の強さは、異様なまでに高い回収率を見てのとおり。「ハナを切れそうな人気薄」は何よりも優先して買うべき対象であり、ここを軸に流す3連単や3連複も、かなり面白いはず。先行重視ではなく「逃げ重視」の姿勢をオススメする。

 人気馬から人気薄までまんべんなく走っている印象だが、面白いのが1番人気と2番人気で、信頼度にほとんど差がないこと。平均オッズには大きな隔たりがあるのに平均着順に差がないのだから、どちらを狙ったほうがお得かは自明の理である。1番人気馬を割り引く必要はないが、2番人気馬はややプラスに評価する価値アリだ。

【レース総論】フィリーズレビュー(G2) 過去10年

・レースの要所!

★上位人気の信頼度はかなり低めで、波乱傾向の強さが目立つ一戦。
★信頼度の内枠&爆発力の外枠いった様相。複穴を狙うなら外枠か。
★前走阪神JF組が強く人気薄は特注。昨年も13番人気で2着に激走!
★マイルからの距離短縮組が主役。前走1400m以下組はイマイチ。








 1番人気に応えたのは、2012年のアイムユアーズが最後。2番人気以内馬はトータル[4-1-0-15]で複勝率25.0%と信頼度はかなり低く、3番人気〜7番人気あたりの活躍が目立っている。また、ふたケタ人気の超穴馬が5回も馬券絡みしているように、波乱傾向の強さはかなりのもの。高配当を狙ってブンブン振り回してみる価値も十分ありそう。関西の重賞ながら関東馬が健闘しているのも、特徴のひとつといえそうだ。

 次に馬番別での傾向だが、単純に信頼度で比較するなら、間違いなく内枠優勢。勝率、連対率ともに内が外を圧倒しており、アタマを狙うなら馬番1番〜8番に入った馬を狙ったほうがベターだ。しかし、人気薄で2着〜3着に激走した例は外枠のほうが多く、複勝回収率は外の圧勝。「人気馬は内、人気薄は外」といったカンジフォーメーションを組むのが、もっとも効率のいい買い方である。

 脚質については、基本的に先行有利ではあるのだが、追い込みもけっこう決まっている。思い切って行くか、もしくは徹底的に末脚をタメるかと、極端な作戦に出たほうがいいレースのようだ。続いて臨戦過程だが、こちらは阪神ジュベナイルFからの直行組が順当に好成績。人気馬は当然のこと、人気薄も激走率が非常に高く、ここは徹底的にマークしたほうがいい。あとは、前走OP特別出走組も期待値はかなり高い。

 そして最後に、前走距離別成績。芝1600m以上からの「距離短縮組」が圧倒的に優勢であり、前走で芝1400m以下戦に出ていた組で買えるのは、3番人気〜8番人気の中穴くらいのもの。175万馬券と大波乱だった昨年にしても、1着〜3着まで、すべて距離短縮組。勝ち馬に関してはこの組から出ると決め打っていいはずで、距離延長組は他に強力な買い材料でもないかぎり、割り引いて考えるのがセオリーである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 引き続きAコース。かなりフラットな状況になってきている印象。

・天候予測
 風は強いが、天候は週末まで崩れない様子。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 ダイワメジャー産駒◎、ハーツクライ産駒○、ディープインパクト産駒▲、アドマイヤムーン産駒△

 特徴的なのがディープインパクト産駒の成績で、2着〜3着に取りこぼすケースが目立っている。直線の短さや、パワーと持久力の要求度が高い馬場の影響で、差しきるのが難しいのだろう。だからこそ、ダイワメジャー産駒やハーツクライ産駒など、ディープ産駒よりもパワーのある種牡馬の産駒が好成績なのである。

 馬場については、開幕週よりはいくぶん差せるようになってきた印象で、天候もこのまま行けば崩れることはなさそう。かなりフラットな状態にあると考えていいはずで、馬場のバイアスについてはそれほど気をつかう必要ナシと見ている。コースの傾向を加味して考えると「やや先行有利」といったところか。

★出走登録馬・総論×各論

 登録頭数から、間違いなくフルゲートとなる今年のフィリーズレビュー。このレースの波乱傾向の強さは繰り返し述べてきたとおりで、クイーンズリングやコートシャルマンといった人気馬の過信は絶対に禁物。人気薄をいかに精査し、いかに効率よく拾うかが、きわめて重要なレースだといえる。

 まずは2戦2勝馬クイーンズリングの扱いから。上位人気の一角となるのは間違いないが、これが意外なほど強調材料に欠ける。プラスに評価したのは距離短縮である点くらいのもので、予定されているM.デムーロ騎手への乗り替わりも、人気馬についてはマイナス評価の対象。マンハッタンカフェ産駒も成績はイマイチで、ここは思い切って「消し」評価としたい。

 また、コートシャルマンも同様に、評価が伸び悩んだ。前走がG3であることやハーツクライ産駒であることなどからクイーンズリングよりは上に評価したが、強い買い材料は見当たらず、「リスク>リターン」と判断。ヒモには押さえるが上位には評価しづらい──というのが、当データ分析によるジャッジである。

 もっとも高く評価したのは、ムーンエクスプレス。阪神ジュベナイルFからのローテが強いのは前述したとおりで、先行力があるのも同馬の強み。鞍上が継続騎乗となりそうなのもプラス評価の対象で、アドマイヤムーン×メジロライアンという血統面も強調材料。登録馬では「断然」といえる存在である。人気の一角となりそうだが、ぜひとも「3番人気」でお願いしたいところだ。

 以下は大混戦だが、スマートプラネットレオパルディナクールホタルビラッフォルツァートまでが上位評価組。以下はさらにどんぐりの背比べで、コートシャルマン、ペルフィカ、ウィッシュハピネス、スマートグレイス、ノーブルヴィーナスの5頭を、押さえ評価としている。ムーンエクスプレスから手広く流す馬券で、うまく高配当を引っかけたいところだ。


■中日新聞杯(G3・中京芝2000m)フルゲート18頭/登録18頭


 リニューアル後の中京競馬場で開催されるようになってから、今年で4年目。3番人気以内馬がまだ一度も勝っておらず、昨年は10番人気のマーティンボロが1着に激走するなど、けっこう波乱傾向の強いレースとなっている。人気馬を素直に信頼するよりも、人気薄の穴馬から入ったほうが面白そうな一戦である。

 まずは枠番だが、過去3年の勝ち馬はいずれも6枠〜8枠。外枠が謎な強さを見せている今の中京「らしい」結果で、外枠の人気薄を狙うというスタンスが今年も好結果を呼び込みそう。1着を5枠〜8枠、2着を1枠〜4枠からチョイスするという超・決め打ちも、このレースに関しては意外に悪くないと思われる。

 また、勝ち馬がすべて「4コーナー7番手以下」だったというのも、押さえておきたいポイントのひとつ。かなり瞬発力要求度の高いレースで、ディープインパクト産駒が[1-1-1-3]と好成績であるのも、これが大きく影響していると思われる。中団追走からアタマまで突き抜けられる、高い瞬発力の持ち主。軸には、この条件を満たす馬を選びたい。

 連闘〜中2週の短い間隔で出走した馬は全滅しており、中8週よりも長いローテでの出走もイマイチ。逆に、好成績を残している「中3週〜中8週」で出走する「ハンデ54キロ〜56キロ」馬は、高く評価しておきたいところ。データ分析からの注目馬には、デウスウルトパッションダンスの2頭である。


■中山牝馬S(G3・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録17頭


 中山での過去10年、7番人気以下馬がトータル[2-6-6-76]と14頭も馬券に絡んでいる、中山牝馬S。対照的に、3番人気以内馬は連対率22.2%、複勝率29.6%と信頼度が非常に低く、過信は絶対に禁物といえる。中山芝&牝馬限定&ハンデ戦という条件からも当然の話で、今年も波乱決着の可能性が大である。

 昨年はハンデ52キロのキャトルフィーユが2着に好走したが、これはかなりレアなパターン。ハンデ52キロ以下馬はトータル[0-2-0-27]で複勝率6.9%と不振で、人気薄でもこれは基本的に「消し」が正解。また、7歳以上の高齢馬や4歳馬も信頼度が低く、前走6着以下の4歳馬は[0-0-0-29]と全滅している。ここも大きく割り引くのがセオリーだ。

 あとは、サンデー系種牡馬の産駒が[2-5-2-69]で連対率9.0%、複勝率11.5%と、かなり苦戦しているのも特徴的。キングカメハメハ産駒やタニノギムレット産駒など、非サンデー系のほうがここは強い。以上のようなデータから、人気サイドではケイアイエレガント、人気薄ではシャトーブランシュの2頭を、現時点での注目馬にあげておこう。


■総論×各論・先週の馬券回顧




1着 04サトノクラウン
2着 05ブライトエンブレム
3着 02タガノエスプレッソ

ヤラレレ(血反吐)。本命03シャイニングレイと、相手の09クラリティスカイ&11コメートが6着〜8着に並ぶという冴えない結果デスヨ。「馬番1番〜4番が強い」という部分を、もっと馬券に反映させるべきだったかねえ……。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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