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二強が並び立たないほうに賭ける!/スプリングS

  • 2015年03月18日(水) 18時00分

■スプリングS(G2・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録12頭


【コース総論】中山芝1800m Aコース使用

・コースの要所!

★荒れそうなイメージも、強いのは上位人気。大穴狙いはリスキーか。
★外枠の勝率が非常に低いコース。アタマを決め打つなら外枠は軽視。
★差し馬が強いが「4角9番手以内」が好走の必要条件。追込馬は割引。





 中山芝というだけで荒れそうな印象だが、実際には順当決着傾向が非常に強いコース。16頭立てに限定したデータでも、コース全体の回収率は単51%、複66%という低さである。ふたケタ人気馬は全体で[3-9-13-512]で連対率2.2%、複勝率4.7%と低迷しており、人気薄を狙うとしても「ひとケタ人気」のほうがベター。1番人気馬の高い勝率や連対率から考えても、ブンブン振り回すのはオススメしかねるコースだ。

 また、枠番による有利・不利が意外なほど小さいのも特徴で、複勝率や枠番値はおおむね横並び。ただし、勝率や連対率に関しては、外枠である馬番13番〜16番が飛び抜けて低くなっているので、注意が必要だ。今年のように少頭数であっても、外枠に入った馬は少し割り引いて考えたいところ。また、「とくに内枠有利ではない」というのも、しっかり覚えておきたいポイントである。

 脚質別成績も、中山芝のイメージをやや裏切る結果に。さすがに追い込みはサッパリきかないのだが、差し馬が8勝15連対とかなりの強さを見せている。データ母数の差を考えると、信頼度は先行馬よりも差し馬のほうが上。速い上がりを使った馬の回収率が、のきなみ100%の大台を突破していることからも、ここは差し重視のスタンスがオススメ。必要条件である「4角9番手以内」をクリアできる馬なら、かなり信頼できるはずだ。

【レース総論】スプリングS(G2) 中山過去10年

・レースの要所!

★1番人気が非常に強いが、人気薄が1頭は上位に食い込む決着多し。
★コースデータよりもやや内枠優勢。馬番1番〜5番はとくに優秀!
★朝日杯FS連対→上位人気は鉄板級の信頼度も、今年はどうなる!?
★前走馬体重が要注目。連対馬は前走480キロ以上馬が圧倒的多数。








 1番人気馬の[3-3-2-1]という成績からもわかるように、スプリングSは上位人気馬が非常に強いレース。1番人気が4着以下に沈んだのは2005年のペールギュント(6着)が最後で、以降はなんとすべて3着以内だ。ただし、上位に1頭は人気薄が食い込む決着パターンが多いのも特徴で、人気サイドでのガチガチ決着はレアケース。今年は少頭数になりそうだが、それでも人気薄はヒモで何頭か絶対に拾っておくべきである。

 馬番別成績は、コースデータよりもやや内枠優勢という印象。今年はマックスでも12頭立てなのであまり意識する必要はないが、馬番1番〜5番が連対率24.4%、複勝率31.1%と好成績であるのは、覚えておいて損はないはずだ。次に前走クラス別成績だが、こちらは朝日杯FSからのローテがもっとも好成績。ただし、朝日杯の開催コースが変更されたことで、コレに関しては大きな変化が出てくる可能性もある。

 面白いところでは「前走馬体重」に注目してみたい。パワーが要求される中山芝らしく、スプリングSで連対しているのは、前走馬体重が480キロ以上だった馬ばかり。その両者を比較してみると、信頼度には雲泥の差がある。3連単で2着〜3着のヒモに狙う馬であれば問題ないが、軸馬はこの条件をぜひクリアしてほしいところ。今年はダノンプラチナ、ベルーフ、ミュゼスルタンの3頭がこの条件を満たしていないが……さて、どうか。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 引き続きAコース。先週はかなり差しが決まる馬場だった印象である。

・天候予測
 降雨はないが晴れもしない、曇り空が続く見込み。渋化はないか。

・注目血統
 ダイワメジャー産駒◎、マンハッタンカフェ産駒○

 先週になって、さらに差しが届きやすくなった印象の中山芝コース。今後の空模様や天気図から考えると良馬場での開催となりそうで、そうなると先週と変わらず、差し優勢の状況にあると考えたほうがよさそうだ。ハナを主張するタイプの登録がなく、超スローの流れが予想されるが、こうなるとなおさら、瞬発力勝負に強い差し馬に有利な展開となるかもしれない。

 注目血統には2頭の種牡馬をあげたが、基本的にはある程度のパワーを備えている血統のほうが向くコース。勝利数ではディープインパクト産駒が断然のトップだが、適性が高いかといえばそんなことはなく、おそらく「可もなく不可もなし」といった程度だろう。人気馬が能力の高さで押し切っているだけであり、過信は禁物である。

★出走登録馬・総論×各論

 2歳王者ダノンプラチナと、デビュー2戦目で共同通信杯を制した大器リアルスティールが、ここで激突。京成杯を制したベルーフと同2着のブラックバゴ、長期休養明けも素質の高さが侮れないミュゼスルタンなど、登録頭数こそ少ないが非常に層の厚いメンバー構成となりそうである。

 トップ評価はリアルスティール。前走馬体重500キロとディープ産駒としてはかなりの大型馬で、スッと好位につけられる出脚とセンスの良さを備えているのも、高く評価すべきポイント。芝1800m戦の共同通信杯からのローテも好印象で、今年は朝日杯FSからのローテに信用しきれない部分があるぶん、こちらがよりアテにできそう。初の中山を、とくに苦にしなさそうなタイプであるのも大きい。

 対照的に、ちょっと疑いたいのが2歳王者のダノンプラチナ。中山が初のディープ産駒であるのはリアルスティールと同じだが、あの壮絶な末脚のキレから考えるに、中山よりも東京が向くタイプのはず。昨年までは鉄板級だった「朝日杯FS好走→スプリングSで人気」のパターンだが、コレは中山適性が証明済みだったからこその話。その能力は高く評価しつつも、ケンカを売るならココという気がしてならない。

 中山適性という点で狙いやすいのは、京成杯で結果を残している、ベルーフとブラックバゴの2頭。今回は、前走で敗れていたブラックバゴのほうを、二番手に評価したい。乗り難しさのある馬でロスの大きい競馬が続いているが、それでいて結果を残しているのだから、その能力はかなりのもの。あとは単純に、前走馬体重500キロ以上と、ベルーフよりも格段にデカいという理由もある。

 登録頭数の少なさもあり、上位評価組はリアルスティールとブラックバゴの2頭だけ。以下はベルーフ、ダノンプラチナ、ダノンメジャー、フォワードカフェ、キタサンブラックという序列である。あとは「馬番1番〜5番が強い」レースで、「1頭は人気薄が上位に食い込む」傾向にある点を意識しつつ、最終的な買い目を構築したいところ。馬券的にもかなり面白い一戦となりそうだ。


■阪神大賞典(G2・阪神芝3000m内)フルゲート16頭/登録11頭


 現在このレースを二連覇中のゴールドシップが、ここから再出発。前走のAJCCでは、上がりの速い競馬への適性の低さを改めて認識させられた。トーホウジャッカル、ラストインパクト、ラブリーデイなど相手も揃っているだけに、この天下のムラ馬をどう扱うかで、全国の競馬ファンが直前までウンウン唸らされそうである。

 先に結論からお伝えしておくと、今年のゴールドシップはデータ的に、これまでと同様にはいかないと判断。有馬記念からの直行だった過去2年とは違い、今年は前走AJCCで7着からのローテとなると、信頼度は雲泥の差。さらに、阪神大賞典が5歳以下[6-8-6-32]に対して6歳以上[4-2-4-50]と、5歳以下馬が強いレースであるのも気がかりだ。

 かといって、人気薄が来るかといえばサッパリ来ないのが阪神大賞典。出走頭数が少ないのもあるとはいえ、7番人気以下の[0-0-0-52]という成績は、ある意味驚異的である。というわけで、ゴールドシップを大きく割り引いた上で、それ以外の6番人気以内馬を買うという、すこぶる雑な馬券をオススメしておこう。


■フラワーC(G3・中山芝1800m)フルゲート16頭/登録21頭


 都合がいいことに、スプリングSと同コースで行われるフラワーC。当然コースデータは共通なので、外枠の勝率の低さや中団からの差しが強いといった点などは、フルゲートとなりそうなこちらでぜひご活用いただきたい。

 もっとも、レース傾向は大違いで、こちらは「前走で出走していたレースの格」がさっぱりアテにならない。前走重賞組がトータル[2-4-1-29]で、それ以外が[7-6-7-84]と、馬券絡みしている回数からして後者が圧倒的。前者で信頼できるのは、2着以内の結果を残していた馬くらいのものだ。

 重視したいのは、前走が牝馬限定戦か否か。牝馬限定戦からよりも、牡馬混合戦からのローテのほうが格段に信頼度は高く、昨年はバウンスシャッセ、マイネグレヴィルと、この組によるワンツー決着。あとは、芝・ダートを問わず、前走で1600m戦に出走していた馬がやたらと強いのも、大きな特徴といえそうだ。

 素直にいくなら、前走マイル重賞連対馬であるノットフォーマルローデッド。逆に振り回しての大穴狙いなら、抽選待ちだがアフェクシオンサトノフラリッシュの2頭に、激走の気配を感じる。


■ファルコンS(G3・中京芝1400m)フルゲート18頭/登録26頭


 この条件で開催されるようになって、今年で4年目となるファルコンS。3年連続でふたケタ人気馬が馬券絡みするなど、かなり波乱傾向の強いレースとなっている。「5番人気以内2頭+10番人気以下1頭」という決着パターンが続いており、単純にこの組み合わせをフォーメーションで狙うというのも、意外にアリかもしれない。

 5番人気以内で好走した馬に共通するのが、前走でも5番人気以内に押されており、芝1400m〜1600m戦に出走していたということ。となると、アポロノシンザン、ケツァルテナンゴ、セカンドテーブル、ビヨンジオール、ワキノヒビキあたりは「消し」、逆にフミノムーン、ブリクスト、レンイングランドは「買い」というジャッジとなる。

 そして、人気薄で激走した馬に共通するのが「レースキャリア7戦以上」という点で、確実に出走できる人気薄になりそうな馬では、タガノアザガル、ブラッククローバー、ペイシャオブロー、ヤマカツエース、ライドオンウインドの5頭が激走候補に。豊富なキャリアがモノをいう傾向にあることを、しっかり覚えておきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧






1着 17クイーンズリング
2着 13ペルフィカ
3着 10ムーンエクスプレス

先行勢で、唯一上位に食い込んだのが、トップ評価した10ムーンエクスプレス。3着とはいえよく踏ん張ってくれたが、勝った17クイーンズリングを「消し」で勝負してるんだからドモナラズ。あんなに一気に差されますかそーですか(呆然)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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