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この組み合わせなら明らかに先行有利/ヴィクトリアマイル

  • 2015年05月13日(水) 18時00分

■ヴィクトリアマイル(G1・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録23頭


【コース総論】東京芝1600m Bコース使用

※今回は「Bコース」だけを集計対象としています

・コースの要所!

★人気サイドも超大穴もイマイチ。中穴狙いのスタンスがいちばん効率がいい。
★やや内枠有利の傾向にあるも、評価を大きく上げ下げする必要はない。
★コース全体よりも格段に前有利。「好位が取れる人気薄」が要注意だ。






 先週に引き続き、今週のヴィクトリアマイルも東京芝1600m戦。ほとんど同じ内容を繰り返しても面白くないので、今週は「Bコース」で行われたレースだけを集計対象に、分析を進めていこう。先週分の内容も読み返していただければありがたい。

 まずは人気別成績から。もっと人気馬が強いかと思われたのだが、3番人気以内馬はトータル[4-5-2-19]で連対率30.0%、複勝率36.7%とイマイチの信頼度。また、ふたケタ人気の大穴も不振で、12番人気以下馬は[0-1-0-67]と大不振だ。つまり、4番人気〜9番人気あたりの「中穴」が、もっとも狙い目のコースだといえる。

 枠番に関しては、Bコースに限定したデータでも「少しだけ内枠有利」というのが結論。内枠である1番〜6番が連対率16.0%、複勝率23.4%と好成績だが、これは平均人気が8.1と突出しているのも大きな理由で、トータルで考えると極端に内枠有利ということはないはず。迷った場合に、ほんの少しだけ内枠をプラスに評価する程度でいい。

 そして脚質だが、こちらはコース全体とはやや傾向が異なる様子。かなり差し優勢のコースなのだが、勝率・連対率・複勝率のいずれも先行脚質がトップで、前有利と推測される。追い込み脚質の不振もそれを裏付けるもので、しかも今週はAコース→Bコース替わりの直後。データ以上に前有利となる可能性もありそうだ。

【レース総論】ヴィクトリアマイル(G1) 過去9年

・レースの要所!

★人気による成績の偏りは見られず。人気馬はもちろん、穴馬も軽視は禁物。
★内枠である1番〜6番が好成績。逆に外枠の13番〜18番はやや割り引きが必要か。
★5歳以下馬と、前走で牡馬混合戦を使われていた組が圧倒的に強い。今年も注目!








 1番人気の信頼度は[3-2-0-4]とマズマズ。3番人気以内馬もトータル[5-4-2-16]で連対率33.3%、複勝率40.7%と、良くも悪くもないといった印象。以下の人気についても同様で、ふたケタ人気の好調がやや目立っている程度。さすがに極端な人気薄は買いづらいが、それ以外は「人気」というファクターをそれほど気にする必要はなさそうだ。

 枠番や脚質別での成績については、Bコースのデータとほとんど同じ。違う点があるとすれば、外枠である13番〜18番の枠番値の低さくらいのものだ。「やや内枠有利」の傾向にあり、コース全体よりも先行勢が強いという点についても同じで、マークすべきは内枠の先行勢。逆に外枠は、少し割り引いて考えたほうがいい。

 明暗ハッキリだったのが年齢別成績で、6歳以上馬は[0-0-2-29]とこれまで連対例なし。今年はストレイトガールやケイアイエレガントなどがソコソコ人気を集めそうだが、連体までを望むのはちょっと難しいかもしれない。また、圧倒的に多い「前走牝馬限定戦組」が3勝しかしていないのも、このレースの注目すべきポイント。牡馬を相手に戦ってきた実績を、ここは何より信頼すべきだ。

 あとは、データ未掲載ながら、関東所属のジョッキーが「ものすごく」強いのも、ヴィクトリアマイルの大きな特徴。トータル[7-3-5-63]と絶好調で、回収率も単勝138%、複勝101%とかなりの高さである。対照的に、関西所属ジョッキーの騎乗馬は、人気ならばフツーに来るが人気薄では期待薄。人気薄×関東ジョッキーのタッグは要注目といえる。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Bコース替わり。先週までの素晴らしくフラットな馬場に変化があるかも。

・天候予測
 台風の影響による降雨&土曜日の降雨予報で馬場悪化の可能性もアリ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○、ステイゴールド産駒▲、デュランダル産駒△、ゼンノロブロイ産駒△

 ディープインパクト産駒が「適度に」強いが、それ以外の種牡馬の産駒も能力次第で突っ込んでこれるコースであるというのは、先週も解説した通り。実際、NHKマイルCはクロフネ産駒のクラリティスカイと、Harlan's Holiday産駒のアルビアーノと、ノーザンダンサー系種牡馬の産駒によるワンツーだった。

 爆発力があるのはステイゴールド産駒とデュランダル産駒で、いずれも回収率は単複ともに余裕で100%オーバー。連対率や複勝率も高く、文句なしに「買い」といえる内容だ。スイートサルサとレッドリヴェールの2頭は、血統的な見地からも面白そう。あとは、あのドゥラメンテと「16分の15同血」であるタガノエトワールも興味深い存在だ。

★出走登録馬・総論×各論

 登録メンバーを見てまず感じたのが、差し&追い込み馬の多さ。先行勢が、かなり楽をできる組み合わせだといえる。また、コース&レースともに、通常の東京芝1600mよりも先行有利であるというのは、前述した通り。前々で流れに乗れるというだけで、ここは狙っていく価値があるはずだ。

 この理由からトップに評価したのが、おそらく1番人気に推されるであろうヌーヴォレコルトだ。単純にデータ分析の結果だけなら二番手で、割り引いたのは「中10週」での出走であるという点である。もっとも、この馬の場合はポン駆けがきくのでそう気にはならないはずで、実績的にも最右翼。ここは素直に信頼したい。

 データ分析「だけ」ならトップ評価はショウナンパンドラ。牡馬混合戦の大阪杯を叩かれてから出走と、ローテに関してもまったく不安がない。最高にうまく乗った結果とはいえ、昨年の秋華賞ではヌーヴォレコルトを下している実績馬。この組み合わせならば中団のポジションも取りやすいはずで、こちらもやはり高く評価すべきである。

 逆に、割り引きたいのが「末脚一辺倒型」であるディアデラマドレ。前走での31秒9という上がりが話題となったが、超スローで一団の競馬にでもならないかぎり、かなり危なっかしい印象を受ける。2番人気あたりに推されるならば、スパッと「消し」で勝負するのもアリ。スマートレイアーも同様の理由から、評価を下げている。

 人気薄となりそうな馬では、タガノエトワール、スイートサルサ、バウンスシャッセの3頭が面白そう。あとはケイアイエレガントも、オッズ次第では積極的に狙っていく価値がありそうだ。上位に評価した2頭と、この4頭を組み合わせたパターンから流す3連単や3連複を、現時点ではオススメしておきたい。

 最後に全体の序列を述べておくと、ヌーヴォレコルト、ショウナンパンドラ、レッドリヴェール、ストレイトガールの4頭が上位評価組で、以下はタガノエトワール、スイートサルサ、バウンスシャッセ、ケイアイエレガント、ディアデラマドレ、スマートレイアー。あとは枠順次第、オッズ次第である。


■京王杯スプリングC(G2・東京芝1400m)フルゲート18頭/登録32頭


 過去10年で、1番人気で勝った馬が2013年のダイワマッジョーレしかいない、京王杯スプリングC。昨年も10番人気のレッドスパーダが制しているように、波乱傾向の強さはかなりのものである。今年も、アテになりそうでアテにならない「いかにも」なメンツが32頭も登録。フルゲート18頭での大混戦となりそうだ。

 実際、どんなパターンからでも上位に突っ込んでくるので、コレという狙いを非常に立てづらいレース。1番人気は非常に弱いが、2番人気〜6番人気はトータル[6-8-7-29]で複勝率42.0%と対照的に強く、1番人気をノータイムで蹴飛ばした上でこのあたりで勝負する……というのが、真っ先に思いつく戦略である。

 人気薄で注目したいのが「前走芝1400m戦出走馬」で、7番人気以下で好走した7頭のうち、じつに4頭までがここに集中している。2012年に、2着が11番人気のレオプライム、3着が13番人気インプレスウィナーと、この組が2頭も馬券に絡んで179万馬券が飛び出した。昨年は未出走だったが、今年の登録馬ではダンスアミーガダンスディレクターの2頭が、この条件をクリア。出走できるかは微妙なラインだが、出てくれば押さえておいて損はない。


■総論×各論・先週の馬券回顧




1着 07クラリティスカイ
2着 09アルビアーノ
3着 12ミュゼスルタン

3連複6200円的中(※トリガミ)

恥ずかしい馬券、公開します(赤面)。迷いに迷った結果、荒れると決め打っての3連複「超多点買い」で勝負してみたんですが……こういう馬券がツボにはまること、まずないよねえ。雑な馬券って、だいたいろくな結果にならんよーな気がする。反省、大反省。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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