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意外な伏兵の一発に期待!/オークス

  • 2015年05月20日(水) 18時00分

■オークス(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録21頭


【コース総論】東京芝2400m Bコース使用

・コースの要所!

★1番人気の強さが突出。ふたケタ人気の穴馬は連対例が少なく期待薄。
★馬番1番〜6番の勝率が図抜けて高く回収率も高め。外枠はイマイチ。
★圧倒的に差し脚質が優勢で、速い上がりを使える馬を最優先すべき。






 春にはオークス、ダービーと連続してチャンピオン決定戦が行われる、東京芝2400m。スタンド前から発走して、コースをぐるり1周するというコース形態で、最初のコーナーまでの距離も約350mと長いことから、枠番による有利・不利はそれほどない──といった印象を持つファンが多いかもしれない。

 しかし実際には、けっこう内枠有利・外枠不利の傾向にあるのだ。勝率だけで比較してもその差は明白で、内枠である馬番1番〜6番が勝率10.3%であるのに対して、中枠や外枠のそれは3%〜4%と、そこには2倍以上もの大差がある。連対率、複勝率、回収率といった指標も内枠有利と外枠不利を裏付けているだけに、しっかり意識すべきである。

 人気別では、1番人気馬の強さが目立っている。勝率30.8%は飛び抜けた数値で、人気サイドとしては回収率も高水準。対照的に人気薄はイマイチで、11番人気以下で勝った馬は1頭しか出ていない。人気薄に果敢な本命を打つよりも、人気馬を信頼してそこから流す馬券で勝負したほうが、はるかに効率はいい。

 脚質的には、圧倒的に差し優勢で、集計条件下で逃げ切った馬はゼロ。勝率、連対率、複勝率のどれも差し脚質がトップというのは通常ありえない話で、いかにこのコースで瞬発力が要求されるかがよく見てとれる。ただし、先週の結果を考えるとイメージ以上に前有利の馬場という可能性もあり、今週土曜日の結果は絶対にチェックしておきたい。

【レース総論】オークス(G1) 過去10年

・レースの要所!

★中穴ゾーンである4〜9番人気が好成績。穴狙いならふたケタ人気より断然ココ。
★極端なまでに差し優勢で先行勢は壊滅状態。差せる脚がないとかなり厳しい。
★過去10年の勝ち馬のうち6頭が前走馬体重440〜459キロ。中型馬を高評価したい。








 まず目立っているのが、ふたケタ人気馬の大不振である。[0-1-0-88]で複勝率1.1%と、馬券に絡んだのは2008年のエフティマイア(13番人気2着)のみ。ここまで成績が悪いとなると、ここはもうスパッと切り捨ててしまっていいかもしれない。逆に好調なのが4〜9番人気の中穴ゾーンで、こちらは積極的に狙っていきたいところだ。

 次に枠番別成績だが、コースデータ同様に内枠が好成績ではあるのだが、枠番値が-0.8とかなり低いのが気がかり。外枠がイマイチであるのはコースデータと同様なので、内枠有利&外枠不利ではなく、単純に「外枠不利」と結論づけたい。枠番値の高さから、馬番7番〜12番に入った人気薄が面白そうなのも覚えておきたい。

 そして脚質だが、ここまで先行勢の成績が悪いレースも珍しいほど。2011年2着のピュアブリーゼなど先行して粘った例もあるにはあるが、4コーナーを4番手以内で回った馬が[0-1-2-42]とサッパリ粘れていないあたりに、この時期の3歳牝馬にとっていかに厳しいレースであるかが見てとれる。かなりの実績馬であっても、前残りは厳しい。

 ローテについては、桜花賞組の強さはよく知られているところ。フローラS組が多少は食い込んでいるが、それでも桜花賞組の牙城は揺るがない。面白いのが前走馬体重別の成績で、やや軽めである420キロ〜459キロに好走例が集中。大型馬がダメというわけではないのだが、ここは中型馬のほうが適している条件といえそうである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 引き続きBコース。先週の結果を考えると内枠の先行勢に有利な馬場か。

・天候予測
 梅雨前線の影響で週末にかけて天候が崩れる可能性が大。馬場悪化前提。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ゼンノロブロイ産駒▲

 先週のヴィクトリアマイルでは、前半3Fを34秒3で逃げたミナレットと、同35秒1でそれを追いかけたケイアイエレガントが残る結果となった。道中のペースを考えるとタレそうなものだが、結果的には完全な前残り決着。AコースからBコースに替わったことで、イメージ以上に前有利の馬場へとシフトした印象を受ける。

 また、今週末の天候が崩れそうなのも気がかり。ここまでさんざん「先行不利」を繰り返してきたが、こと馬場についてはかなり前有利となりそうで、じつに悩ましい。血統面では「いかにも」なメンツが上位だが、なかでも好成績が目立っているのが、ハーツクライ産駒とゼンノロブロイ産駒。とくに前者は、かなり高く評価したい。

★出走登録馬・総論×各論

 桜花賞が「例外」ともいえるペースとなったことで、予想が一気に難しくなった今年のオークス。順当決着傾向が強いレースでもあり、例年であれば桜花賞の上位馬を買っていれば当たるといっても過言ではないのだが、今年はそれでいいのかどうかが微妙なところ。先週に引き続き、ドカン!と荒れても驚けない印象である。

 思い切ってトップ評価するのが、ディアマイダーリンだ。フローラSで2着からのローテは、例年であれば「ヒモで買えるかどうか」という評価だが、この馬は2走前のフラワーCで、アルビアーノと僅差のレースをしている実績がある。また、東京コース実績や脚質面での融通性の高さ、血統面など、ここは買い材料が非常に多い。4番人気〜9番人気あたりになりそうなのも、トップ推奨する理由のひとつである。

 二番手に桜花賞の2着馬クルミナル。スタートにまだ不安を残す現状だが、末脚のキレはこの世代でもトップクラス。血統や馬体からも桜花賞よりもオークス向きといった印象があり、桜花賞組ではもっとも高く評価した。前走馬体重488キロと馬格のあるタイプも、馬場が悪化してパワーが要求されると、これがプラスに働く可能性もある。

 三番手に桜花賞馬レッツゴードンキ。差す競馬もできる馬なので素直にトップ評価という手もあるのだが、そうなると今度は折り合い面に不安アリ。前走でも33秒5の最速上がりを繰り出しているように瞬発力は申し分ないが、道中でかかって折り合いを欠いてしまうと、大きく崩れる可能性もありそうだ。

 あとは、ミッキークイーンアンドリエッテも上位評価組。以下はキャットコイン、ココロノアイ、シングウィズジョイ、ルージュバックという序列である。巻き返しが期待されるルージュバックだが、データ面でプラス評価となった項目は少なく、ここはいっそのこと「消し」評価もアリ。素質の高さは認めるも、やはり評価が過剰に高すぎる。


■平安S(G3・京都ダ1900m)フルゲート16頭/登録43頭


 開催時期と開催コースが変更されて、今年で3年目となる平安S。一昨年は人気のニホンピロアワーズが制する順当決着で、昨年は12番人気のクリノスターオーと7番人気のソロル、4番人気ワイルドフラッパーで決まる大波乱と両極端な結果が出ており、今年が果たしてどうなるか興味深い。

 もっとも重視すべきは、過去2年の連対馬4頭がすべて「前走アンタレスS組」であること。出走数が多いとはいえ、[2-2-0-7]で連対率36.4%と上々の結果を残しているのだから、これは素直に高く評価したいところ。前走がひとケタ人気で、鞍上が継続騎乗する予定であれば、信頼度はさらに高まる。

 あとは、サンデー系種牡馬の産駒で好走したのが、昨年1着のクリノスターオーだけであることや、馬体重500キロ以上の大型馬が[2-1-2-10]で連対率20.0%、複勝率33.3%と高信頼度であることなども、押さえておきたいポイント。以上のデータから、アジアエクスプレスアスカノロマンクリノスターオーナムラビクターローマンレジェンドの5頭を注目馬にあげておきたい。今年はおそらく「堅い」ほうでの決着だろう。


■総論×各論・先週の馬券回顧





1着 05ストレイトガール
2着 07ケイアイエレガント
3着 18ミナレット

惜しいようで実際はまったく惜しくない馬券。ただ、先週の分析で「明らかに先行有利」で「関東ジョッキー騎乗の人気薄」がアツいと述べてるんだよなあ。そこをもっと重視していれば、3連単はともかく馬単は引っかけられた可能性も(タラレバ)。最終的な予想の本命がストレートガールだったのもあって、ちょっとだけ悔しい。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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