■関屋記念(G3・新潟芝1600m外)フルゲート18頭/登録16頭
【コース総論】新潟芝1600m外 Aコース使用
・コースの要所!
★1番人気の強さが特筆モノ。1〜2着に対して3着が非常に少なく、キッチリ連対する。
★枠番は少しだけ内枠有利も、おおむねフラット。外枠に入っても気にする必要ナシ。
★差し脚質の勝率がもっとも高いコース。逃げて好走するのはきわめて難しい。
16頭立て以上の多頭数でも、平均配当は単勝938円、馬連4816円と低めの水準。その要因となっているのが、勝率30.2%、連対率55.8%という1番人気馬の強さである。しかも、当コースでの1番人気は、キッチリ連対するというのが大きな特徴。信頼に足る人気馬なら、そこは「連軸」として扱うのが適当である。
ホームストレッチとバックストレッチの両方が長いという特殊なコース形態であるため、枠番による有利・不利はかなり小さい。単純に内外で比較しても外のほうが好成績であり、平均着順も9.2と横並び。馬場が荒れている状況ならばともかく、現在のコンディションであれば、枠番を気にする必要はほとんどないといえる。
そして脚質だが、該当数が圧倒的に多い「差し」脚質が勝率トップと、こちらは明らかに差し優勢。逃げて馬券に絡むのは至難の業で、上位評価すべきは「速い上がりを使える裏付けのある好位〜中団の馬」で間違いなし。上がり最速〜3位の馬の期待値が非常に高いことからも、末脚のキレが何よりも重要なコースであることがうかがえる。
【レース総論】関屋記念(G3) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気は過去10年で3勝も複勝率は80.0%と高信頼度。人気馬が強い傾向。
★コースデータよりも格段に外枠優勢。回収率や枠番値からも外枠重視で!
★5勝をあげている距離短縮組に注目。とくに前走芝2000m組の好走が目立つ。
コースデータの傾向におおむね忠実で、人気サイドが強い結果となっている関屋記念。人気薄が来ないワケではないのだが、7番人気以下[1-1-7-97]という成績を見てもわかるように、こちらは3着で来る場合がほとんどだ。また、ふたケタ人気馬の激走は2010年3着のリザーブカードが最後と、近年さらに順当決着傾向が強まってきた印象。ホームラン狙いのブンブン丸と化すのは、オススメしないレースである。
コースデータと大幅に食い違っているのが、枠番別成績だ。外枠である馬番13〜18番に入った馬は、平均人気が9.6ともっとも低いにもかかわらず、平均着順8.9と大幅に勝ち越し。とくに抜きんでているのが勝率の高さで、単純に内外で比較した場合でも3倍近くの大差が出ている。ここはレースデータを重視し、外枠をプラス評価する方向に軌道修正したほうが絶対にいい。
年齢別成績では、4歳馬の強さが目立っている。残念ながら今年は1頭も登録がないのだが、5歳以下馬[5-9-5-62]という成績から考えても、若い馬のほうが強い傾向にありそうなレース。高齢を理由に評価を割り引く必要はないが、若くて勢いのある馬を少しプラスに評価したほうが、好結果を呼び込めそうである。
別定戦なので斤量はそれほど気にする必要がない──と思いきや、実際は斤量57キロ以上馬のほうが好成績。エキストラエンド、スマートオリオン、レッドアリオンの3頭は、これだけでも買う価値アリといえる。あとは、距離延長組がイマイチで距離短縮組が非常に強いことや、前走重賞組が[8-8-3-71]と連対馬の大半を占めているのも、ぜひ押さえておきたいポイントである。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Aコース継続で、3週目も馬場コンディションは良好。相変わらず差し馬が強い。
・天候予測
木曜日〜金曜日と週明けが雨予報。土日にも降雨があっておかしくない状況。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、サクラバクシンオー産駒○、キングヘイロー産駒▲、ハーツクライ産駒△、キングカメハメハ産駒△、ダイワメジャー産駒△
相変わらず差し〜追い込み勢が強い新潟の芝コース。これはもう競馬場としての特性で、「わりと差せる」か「ものすごく差せる」のどちらかと考えたほうがいい。現在の状況は前者であり、いわゆる通常モードの新潟芝コース。天候的に多少の馬場悪化があってもおかしくないが、ガラッとバイアスが変化することは考えづらい。
高いレベルの瞬発力が要求されるコースであるため、種牡馬別成績はディープ・ハーツ・キンカメの「御三家」がキッチリ上位に。とはいえ、ディープ産駒にしてもブチ抜けて強いワケではなく、サクラバクシンオー産駒やキングヘイロー産駒なども、コース適性はかなり高そうだ。逆に、血統的な適性が低く評価を割り引きたいのは、グラスワンダー産駒のスマートオリオンである。
★出走登録馬・総論×各論 デザートオアシスが回避を表明したことで、最高でも15頭立てとなる今年の関屋記念。中京記念で好走しているスマートオリオンとアルマディヴァンを筆頭に、じつに悩ましいメンツが登録してきた。オープン特別2勝のサトノギャラントが人気になりそうなのだから、かなり小粒な登録メンバーであるのは間違いない。
この混戦において、もっとも信頼できそうなのが
レッドアリオンだ。前走の中京記念では57.5キロを背負って2番人気8着と人気を裏切ったが、いつもよりも後方からの競馬になったことを考えれば、よく差を詰めている。今回は57キロに斤量減で、自在性のある脚質もここではプラス。僅差ながらトップ評価となった。
二番手評価に
エキストラエンド。春の結果からも実績上位であるのは言うまでもなく、レッドアリオン同様に57キロでも「斤量減」となるパターン。鞍上や血統面など魅力的なファクターも多く、いい末脚を持っているのも強調材料。2014年の京都金杯以来となる重賞制覇が、ここで達成される可能性は十分ある。
そして、人気薄となりそうな
マジェスティハーツを三番手に抜擢。今年の登録馬で唯一の「距離短縮組」であり、前走の鳴尾記念でラブリーデイに0秒3差まで迫った結果も、高く評価したいところだ。マイルがベストという馬ではないが、展開次第で台頭の余地はあるはず。リスクを承知で買ってみる価値アリと判断した。
あとは、
アルバタックス、
シャイニープリンスの2頭も上位評価組。以下はアルマディヴァン、カフェブリリアント、スマートオリオン、ヤングマンパワー、サトノギャラントといった序列である。もっとも、枠番の影響が大きいレースだけに、評価が直前でガラッと入れ替わる可能性もアリ。枠番とオッズもしっかり考慮した上で、最終的な判断を下すとしたい。
■総論×各論・先週の馬券回顧
小倉11レース 小倉記念(G3)
1着 15アズマシャトル
2着 05ベルーフ
3着 03ウインプリメーラ
アイビスSDに続いて、今回も「ワイドー!!」な結果に。直線で先にウインプリメーラが抜け出したときには、脚色的に来そうな相手は全部持ってる→もう完全にデキたと思ってましたけどねえ(悲嘆)。馬券下手に磨きがかかってきた気がしてならない、今日この頃。暑中お見舞い申し上げます。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。